藤井七段 令和は「もっと強くなる」 森内九段と激闘92手 新年度白星スタート
2019年04月13日 05:30
芸能
森内は王将1期を含め、タイトル獲得通算12期の実績を誇るトップ棋士。藤井は17年9月に早指し棋戦のNHK杯で勝利したが、特別対局室で指された持ち時間3時間のタイトル戦予選は空気が変わり、矢倉模様のじっくりした展開になった。ともに中盤までに時間をほぼ使い切り、終盤は互いに飛車を敵陣に打ち込む攻め合いに。藤井は「誤算があり、負けの変化があってもおかしくない。最後まで分からなかった」と激闘を振り返った。
つかの間の春休み中に、新元号「令和」が発表された。「元号が変わるのは自分にとって初めてで、感慨がある。新しい時代にもっと強くなり、活躍できるよう頑張りたい」。次世代の将棋界を担う自覚も、徐々に芽生え始めている。
8大タイトル中、今年度中に獲得の可能性を残すのは4タイトル。その一つ、王将戦で初の1次予選突破まであと2勝とした。2次予選そして挑戦者決定リーグと、渡辺明王将(34)への挑戦権を得るまでの長い道のりを一歩進んだ。
《森内雪辱ならず》森内は「序盤から意表を突かれる手が多く、構想の立て方が難しかった」と振り返った。17年度NHK杯での初対局は注目度の高さから、異例の生中継で放送。前回と同じく先手番から角道を止める得意の形に誘導したものの、雪辱はならなかった。「岐路の場面で予想にない手が出てきた。それが後から効果を発揮して、いつの間にかペースを握られていた」と藤井の力を認めていた。