木村拓哉 蜷川さん舞台で感じた“サバイブ”「いつ自分が言われるかわからない」
2019年04月14日 17:09
芸能
「先輩が歌番組に出て、キャーッて言われている以外に、ああやって映画だったり、テレビドラマもそうだし、そういうのに、テキトーではなく、すげー真面目に取り組んでいるのをすごく感じて、スゲーなと思って。そっちの景色を自分ももし見られるなら見てみようかなと思って、意識はしてました」と先輩たちの役者としての仕事ぶりが自身が役者を目指すきっかけにもなったという。役者の仕事は「プロの人たちと一緒にモノを作る醍醐味というか、面白さを(感じるもの)」だとし、「蜷川さんがそれの筆頭」と蜷川さんの作品への出演が大きな転機になったことを語った。
岡本は「唐版・滝の白糸」、木村も「盲導犬」でそれぞれ1989年に蜷川さん演出の舞台を初めて経験している。岡本によると、蜷川さんの舞台では稽古が始まる前にはすべて台本を頭に入れておくのが当たり前だったため、しばらく、他の現場でもそうしていたという。木村も役者の現場で台本を決して持たないといい、「現場で(台本を)持ちたくないんです。持ってできないんです。勝手に動きたい、勝手に言いたい。持っていると、そっちに意識が行っちゃう。それ、蜷川さんが根っこなのか」と蜷川さんの現場で教わったことがいまだにすべての基本になっていることを明かした。
木村は蜷川さんの現場について「あれを経験した時に、なんてサバイブな世界なんだと思った。(厳しさも)人から拍手をいただくってそういうことなのかなって納得した」と回顧。当時の現場について「僕が目の前に経験したのが、とある出演者さんが(蜷川さんが)何回見ても『面白くねーな』ってなって、『明日までこれやりたいやつがいたら、覚えてこい!』って言われて、次の日に稽古場に行ったら、8人やりたい人がいたんですよ。8パターンやって、『お前、面白かったから、お前ら2人でダブルキャストな』って、確定して稽古が進んでいった。いつ自分が言われるかわからないっていうのが常にあった」と振り返った。