おおたわ史絵氏 亡き母の薬物依存告白「打つ場所がないぐらい注射の跡だらけ」
2019年04月23日 15:06
芸能
その後、精神科へ入退院を繰り返した母は、「今度こそ薬をやめるからね」と決意したものの状況は変わらなかった。おおたわ氏は「薬物が手に入らなかったり父親が渡さなかったりすると、父親を突き飛ばしたり叩いたりするようになった」と振り返った。
そんな中、父が他界。一人で母を介護する中で、堪え切れずに冷たい対応を取ってしまったこともあった。「私の悪口を親戚や知り合いに言って回るんですよ。『お金を盗んだ』とか『ひどいことされた』とか。こっちも非常に心を痛めますよね」と当時の心境を告白した。
精神的にも追い込まれ、「殴ってしまいたくなるような衝動が出て私が手を上げてしまうと思った。歯止めがきかなくなって、私は母親を殺してしまうかもしれないという怖さが自分の中にあった」ため、絶縁状態に。その後、母も心臓を病んで帰らぬ人となった。
現在は、刑務所で矯正医療の仕事に携わっているおおたわ氏。働くきっかけについて「母を薬物依存で亡くしているから、できることがあるかもしれない」とし「母に出来なかったことへの贖罪(しょくざい)の気持ちがあった」。そして「まずは矯正医療というものが存在することを多くの人に知って欲しい。犯罪の根底に依存が存在する限り処罰・拘束だけで再犯を防ぐのは難しい。法と医療がもっと手を取り合う必要がある」と訴えた。