長澤まさみ、素顔の休日 心身リフレッシュする“3本の矢”
2019年05月14日 10:30
芸能
「昔は外に出ようと結構ガツガツ動いていたんですけれど、最近はとにかく休むようにしています。焦って何かをすることもなく、成り行きで過ごすことが増えました。休みの日まで“こうだ”と決めちゃうと、疲れが取れないんですよ」
その過程で体を動かすことを意識して、2年ほど前に始めたのが「歩くこと」。近所の公園などを散歩することもあれば、普段は車で往復している仕事の現場から自宅までを歩いて帰ることもある。
「外を歩く機会がどんどんなくなって、これじゃヤバいなと思って。運動も兼ねて、割とどこに行くのにも歩くようにしています」
時には1時間半から2時間ほどかけることもあるという。決意するに至った経緯についてはユニークな持論を展開する。
「現代人の体形って変わってきていて、家でパソコンや携帯をやっていると、将来的に『ウォーリー』(ディズニー/ピクサーのアニメ映画)の宇宙船に住んでいる人(ロボットのイヴ)みたいな体になると思っているんです。それが嫌で、動いた分だけ体の使い方を覚えるし、周りの風景やいろいろなものも見えて、精神のバランスが良くなって頭がすっきりする。日光を浴びて五感で四季を感じることは大事ですよ」
頭がすっきりするという観点では、料理にも同様の効果を感じている。以前から自炊はしていたが、最近は好きな料理家のレシピ本などを手本にさまざまな調味料を使い味付けを楽しむようになった。
「やっていく中で分かったことは、調味料を量らなくても大丈夫なものと、量った方が絶対的においしいものがあるんです。おいしいものを作れる人は、調味料を選ぶセンスがいい。本によっては自分がいつも使っている調味料とは違うものを提示してくれる。作り比べてみると全然味が違う。料理教室にもたまに行きますし、味の違いは分量、割合だと分かってから、料理がまた楽しくなりました」
メニューはあえ物や炒め物など簡単に調理できるものが多いが、日々発見もある。現在のお薦めの調味料は、アユの魚醤(ぎょしょう)だそうだ。
「これはビックリしました。うま味が凝縮されていて、しょっぱ過ぎずまろやか。凄くおいしいんですよ。使う料理?あえ物です(笑い)」
一方、女優業に最も直結するのが舞台観劇。これは10代の頃から続けており、当初からいつか自分がステージに立つ姿をイメージしていた。そして初舞台は11年の「クレイジーハニー」。初めて観客の反応をじかに感じ、大きな財産を得た。
「緊張はしましたが、出演者が多く楽屋も大勢で使っていたので、皆で支え合っている団結力があって、安心して舞台に立てていた気がします。その時に出会った方たちとは今でもしょっちゅう会うし、友達であり先輩であり、何か迷った時にまず相談できる人になっています」
それがリリー・フランキー(55)や安藤玉恵(42)、脚本の本谷有希子さん(39)ら。一緒に観劇することもよくあり、そのたびに収穫があるようだ。
「自分も精神的に大人になって作品への理解度も深くなっていくにつれ、客観的に人の芝居が見ている人の目にどう映るかを勉強している感じです。私にとって舞台は唯一挑戦できるところ。デビューしてからずっと映像でやってきているから、舞台は自分へのご褒美じゃないけれど、成功も失敗も自分のものという感覚があるんです。最近はコンスタントに舞台の仕事を頂けるようになったので、もっと見る量を増やさなきゃ、と思っています」
あふれる意欲が、穏やかな笑顔からにじみ出ていた。
《香港舞台に「コンゲーム」17日公開》主演映画「コンフィデンスマンJP」(17日公開)は長澤と東出昌大(31)、小日向文世(65)の信用詐欺師トリオが、初の海外となる香港で伝説のパープルダイヤを巡りコンゲームを繰り広げる。「チームワーク、空気感が出来上がった上での映画だったので、面白いと思ってもらえたらいいね、という純粋な気持ちで取り組めました」と満足げに振り返る。スペシャルドラマ「運勢編」(18日後9・00)もあり「もっと先にいける信頼感があるので、まだ続いていきたいという思いがそれぞれにあるようです」とさらなるシリーズ化を期待した。
◆長澤 まさみ(ながさわ・まさみ)1987年(昭62)6月3日生まれ、静岡県出身の31歳。2000年の東宝シンデレラオーディションでグランプリに輝き、同年の映画「クロスファイア」で女優デビュー。04年「世界の中心で、愛をさけぶ」でブルーリボン賞助演女優賞など数多くの映画賞を受賞。その後も「涙そうそう」「モテキ」「海街diary」など話題の映画に出演。17年「散歩する侵略者」で毎日映画コンクール女優主演賞に輝いた。