芳根京子 塗り絵で大人に 演技にも通じる「感じるまま」 見えなかったものが見えてくる

2019年05月21日 10:30

芸能

芳根京子 塗り絵で大人に 演技にも通じる「感じるまま」 見えなかったものが見えてくる
大好きな塗り絵をする芳根京子(撮影・久冨木 修) Photo By スポニチ
 【夢中論】リフレッシュや頭の体操として“大人の塗り絵”に注目が集まっている。女優の芳根京子(22)も夢中になっている一人。ドラマ、映画に出ずっぱりの売れっ子でも、本番前まで描く手を止められない。ペンの動くままに色を塗る時間が、女優としての成長を実感するひとときにもなっている。
 テーブルに広げたのは、市販されている塗り絵用の本。ライオンやゾウが描かれたメルヘンチックな絵柄に、水性ペンで色を塗っていく。青にしようか、緑にしようかと考えながら、真剣なまなざしで手を動かしていた。

 今年3月に舞台で共演した女優の鈴木杏(32)から勧められて始めた。「“やってみない?”って言われてやってみたら凄く楽しくて。実は絵を描くのは苦手で避けていたんですけど、塗るだけだったらハードルも低いですよね。一つのページが出来上がった時の達成感がうれしくて、まさかここまでハマるなんて思っていませんでした」

 自宅だけでなく、舞台の現場にも本と色鉛筆、水性ペンを持ち込み、本番の30分前までやり続けているほどの熱中ぶり。「集中して色を塗り続けるって精神統一みたいな気持ちになるんです。3、4月は舞台をやっていて、塗り絵のおかげで毎日気持ちをリセットして臨めていました」

 これまでは仕事を終えて帰宅しても「特にこれをやるというものがなかった。思い出そうとしても自分が何をして過ごしていたのか思い出せないです」と苦笑い。だからこそ楽しくてしょうがない。1時間で1枚描き終わることもあれば、2、3日かけることもある。「ほぼ毎日やっていると思います」

 塗り絵がきっかけで、身の回りの色にも気を使うようになった。3月には初めてフットネイルに挑戦。「ここはこの色にしてって決めていくのが似ている感じがして楽しかった」。服装も白や黒が基調のものが多かったが「これまでは意識していなかったんですけど、絵を見てると私って緑や黄色が好きなんだって。そういう服も増えている気がします」。この日も耳には緑色の丸いカラーストーンが付いたイヤリングが光っていた。

 完成した絵を見せてもらうと、同じ動物や花が同じ色で塗られていたり、決めごとがあるように見える。だが、本人は全く意識していないようで「濃い色にするとか、青っぽくまとめるとか、簡単なテーマだけ決めてあとは感じるままに塗っています」。

 「感じるまま」は演技でも重要なテーマの一つになっている。公開中の映画「居眠り磐音」では、脱藩した主人公を思い続けるいいなずけ役で出演。「自分で悲しいと思っていないのに泣いていたり、気付かないうちに笑っていたりするんです。監督からは“それでいいよ”って言われて。世界に入り込めているというか、本当に役になりきれているんだなと思ってうれしくなりました」とほほ笑んだ。

 元々、演じる際には感覚を大事にするタイプ。出世作となったNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」では、撮影前に舞台となる神戸市に行き、モデルになった子供用品店を訪ねた。「どういう場所で、どういう人がいて、というのを体験すると、いざ演じる時に本当にその世界の人になれるような気持ちになる。やらないと不安になりますし、仕事をしていく上で凄く大切にしています」

 世界に入り込むという意味では、集中力を高めているのも塗り絵の効果だ。「1時間で1ページ塗り終わろうって決めて、本当にできた時は凄くうれしいんです。以前は何かに打ち込むことがなかったので、一人でいる時間をうまく使えているんじゃないか。私も大人になってきているのかなって思っています」とちゃめっ気たっぷりに笑った。

 本人が成長を実感している通り、時代劇のヒロインやOLといったこれまでになかった役を見事に演じきっている。緑が好きなことに気付いたように、女優としてもコミカルな役やミステリアスな役など、まだ見ぬ色が眠っているように思える。活発な女の子から艶のある大人の女性へ。自身のキャリアも明るく彩っていく。

 ≪「居眠り磐音」公開中、時代劇は「楽しい」≫「居眠り磐音」は、芳根にとって昨年の映画「散り椿」に続く時代劇。「仕事を通じて、自分の知らない時代のことに興味が持てるのは幸せだなって思います」と出演を喜んだ。演じた小林奈緒については「時代が違っても愛の形は変わらないと思った。なので、私は常に(いいなずけの)磐音さまを思おうって決めてました。所作や言葉遣いでその時代に入り込んで、撮影の1週間は本当に楽しかったです」と振り返った。

 ◆芳根 京子(よしね・きょうこ)1997年(平9)2月28日生まれ、東京都出身の22歳。13年にフジテレビドラマ「ラスト シンデレラ」でデビュー。14年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」にヒロインの親友の娘役で出演。昨年は映画「累―かさね―」「散り椿」に出演し、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。1メートル59、血液型A。
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