桂小春団治 6月にベトナム公演 「落語が平和な時間を作る」
2019年05月23日 13:21
芸能
![桂小春団治 6月にベトナム公演 「落語が平和な時間を作る」](/entertainment/news/2019/05/23/jpeg/20190523s00041000215000p_view.jpg)
日本語と現地語に堪能な人を探し、古典落語を現地語に訳してもらう。「例えば英語なら、イギリスの田舎の現地なまり、大阪弁に似たような柔らかい方言を使う」。そうして作製した字幕をビデオプロジェクターから、自ら上がった高座の後方に設置したスクリーンに映し出す。「顔の表情で、怖さやイメージが外国の方に伝えられる」と三味線奏者、太鼓方も同行して「生の音を聞いてもらう」と三味線、太鼓などはめものによる効果音を活用。「東京でも字幕落語をされる方はいる。でも、はめものもあるし、上方落語の方が(海外では)有利」と小春団治は自信をのぞかせた。
「落語のように1人で座ったままで、何人も演じ分ける。小道具も扇子と手ぬぐいだけで、舞台装置も使わず、イメージだけを広げてストーリーを語る。しかも笑いをとる。こんなコメディー、どこの国にもない。世界に広げていきたい」と上方落語の世界への普及を思う。さらに「国連本部で英語、フランス後、中国語、スペイン語の4カ国語でやった時、文化も宗教も言語も違う人たちが同じように笑っていた。落語が平和な時間を作る」と思いは世界平和にまでつなげていた。
海外公演は「9・11 米同時多発テロ」の遺族を招いた16年の米ニューヨーク公演以来3年ぶり。これまで公的助成金を受けて開催してきたが、今回は初めて民間企業のサポートを受け手の開催となる。6月5日にカンボジア・プノンペン、8日にベトナム・ホーチミン、9日にベトナム・ハノイで落語公演を開催する。