「いだてん」存在感際立つ杉咲花 “傑作”宮藤脚本に重圧「面白さを伝えなければ」

2019年06月09日 11:30

芸能

「いだてん」存在感際立つ杉咲花 “傑作”宮藤脚本に重圧「面白さを伝えなければ」
女性スポーツの先駆者となるシマを好演している杉咲花(C)NHK Photo By 提供写真
 NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(日曜後8・00)にシマ役で出演中の女優・杉咲花(21)。女性スポーツの先駆者となっていくシマを、時にシリアスに、時にコミカルに、持ち前の豊かな表現力で好演している。三島弥彦(生田斗真)の良き理解者で、前半の主人公・金栗四三(中村勘九郎)との出会いも相まってスポーツの世界へと身を投じていくシマ。自身初の大河ドラマで存在感を発揮している杉咲に、今作への思いを聞いた。
 「『あまちゃん』の制作陣で大河ドラマをやると聞いた時に“出たい!”と思ったので、すごくうれしいです」と笑顔の杉咲。宮藤官九郎氏(48)が手掛ける脚本については「台本を読んだだけで笑ってしまう」と語る反面、「この面白さを伝えなければならないのが怖いとも思いました。楽しみながらも、すごく緊張しながら演じています」とプレッシャーも隣り合わせだ。

 物語の序盤では三島家に仕える女中として弥彦を見守ってきたシマ。日本人にとっては未知の世界だったオリンピックを目指す弥彦と四三の姿に影響を受け、自身もスポーツの魅力に引き込まれていく。

 「弥彦さんがエネルギッシュに過ごしているのを一番近くで見ていて、ずっと憧れがあったのだと思います。女子のスポーツが認められていない時代に眠らせていたその思いを、開花させてくれたのが弥彦さんと四三さんですね」

 多彩な表情、他の登場人物との絶妙な掛け合いで物語の“アクセント”になっているシマだが、杉咲自身が「シマのキャラクターをつかめた」と振り返るのは、第1回「夜明け前」(1月6日放送)の初登場シーン。三島家の庭園で、弥彦ら「天狗倶楽部」のメンバーが嘉納治五郎(役所広司)の前で「T・N・G!」と大騒ぎした場面だ。

 「監督から『自由にやってもらっていいですよ』と言ってもらったので、天狗倶楽部の動きをマネしてみたんです。カメラを長回しで撮影しているので、実際にその動きが使われているのかどうかは分からなかったんですけど、出来上がった映像を見るとカメラに抜かれていました。その時に“シマはこういうキャラクターでいいんだ”と思えました」

 撮影現場では主演の中村勘九郎(39)の演技に涙をこぼしかけた瞬間も。「勘九郎さんが四三さんになり切っていて、本当に四三さんにしか見えなくて…。(四三の教え子・富江役の)黒島結菜ちゃんは撮影中に涙が止まらなくなっていました。自分はシマになり切れているのかな…と疑ってしまうこともあります」と勘九郎の熱演ぶりに敬意を表す。

 5月12日放送の第18回「愛の夢」では、早朝の街中をランニングするシマの姿が描かれた。息が上がって倒れこみ「苦しい!」と帯を投げ捨てて再び走り始めるシーンは“女性スポーツの夜明け”を予感させる場面だった。

 「シマを演じさせていただいている身としては、現在の女子スポーツ選手の活躍には本当に感動させられます。女性がスポーツで活躍する姿はシマが願っていたことだと思うので、感慨深いですね」
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