アキラ100%、「裸芸」にこだわる理由を明かす“続けることが父への恩返し”
2019年06月22日 23:16
芸能
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2018年元日の生放送の番組で裸芸を失敗した際には、ネット上で大炎上。アキラいわく「あれ以来、生放送は呼ばれなくなった」そうで、仕事のオファーも激減。危険と隣り合わせのネタだけに「ほかのネタもやった方がいいんじゃない?」と周囲から心配の声が上がったという。
それでも裸芸にこだわり続けるのは確たる理由があった。
アキラには厳格な父がいた。仕事人間で家庭を顧みず、父と何かにつけて衝突していた。「おやじみたいにはなりたくない」と反面教師として見ていたアキラ。大学に入ると演劇サークルに入り、本格的に役者の道へ進むことを決意する。
就職活動もせず、演劇の稽古に励むアキラに対し父は激怒。親子関係の溝は深まるばかりだった。大学卒業後はさらに稽古へ没頭。生活は立ち行かず、父にだまって母から生活費を無心していたという。
30歳になっても役者としての芽は出ず、今度は芸人を志したアキラ。甘い考えとは思われつつも「俺はビッグな人間になるんだ」と夢を追い続けていた。しかし、このことが父の耳に入ると「お前が成功するワケない!いい加減マジメに働け!」とまたも激怒されることに。2人の間は、もはや修復不可能な状況となっていた。
芸人でも結果は出ることなく、36歳の時には組んでいたコンビも解散。今さら職に就くこともできず、ピン芸人として活動することになった。するとアキラが39歳の時、思わぬ連絡が。父が肺がんに侵され、余命宣告を受けたというのだ。
すぐさま病院へ向かったアキラ。父の容体を危惧すると「お前の方こそ大丈夫か?飯食えてるのか?」と、逆にアキラの心配をしてきたという。そこにはかつての厳格な父の姿はなかった。そんな状況を目の当たりにし、アキラは「俺は親不孝なことをずっとしているんだ」という感情に押しつぶされそうになったという。
最後くらいは親孝行を…そんな気持ちで前を向いたアキラ。テレビに出るため試行錯誤していると、コンビ時代のネタ帳に目が留まる。そこあったのが“裸芸”だった。これをネタ番組のオーディションで披露したところ、大ウケして念願のテレビ出演を勝ち取ることに。しかし、このことを父に伝えることはなかった。
ネックになっていたのは“裸芸”であったこと。「こんな芸、おやじが見たら絶対怒るだろうな」と、病床に就く父の気持ちになると、どうしても行動を起こせずにいた。しかし、アキラの妹がテレビ出演時の動画を父に見せていたのだ。
後日、アキラが父に面会に行くと「お前のテレビ見たぞ。あれ、面白かったな」と健気に伝える父。アキラはその言葉が「闇に差す一筋の光」のように感じられたという。“裸芸”で取り戻した父との絆。アキラは「(自分には)裸芸しかない」と心に誓ったという。
「おやじ…俺、絶対『R-1ぐらんぷり』で優勝するから見ててくれよ」「そうか!じゃあ、それまでは死ねないな」と誓いの言葉を交わした父子。しかしその約束は果たされぬまま、2016年に父・日出夫さんは天国へと旅立った。ブレークした姿を見せられなかったことは心残りだが、“裸芸を続けることが天国の父への恩返し”と考えるアキラ。「まだまだこのネタ頑張りたいと思いますね」と胸を張ってみせた。