飯豊まりえ「サイン」で医師役に初挑戦「この役とともに成長していけたら」
2019年07月02日 11:00
芸能
医療界については、「子供のころから骨折したこともなく、大けがをして縫ってもらったこともない。解剖室とか手術室にも入ったことかないので、どんな感じなのかと未知の世界」だったと明かす。手術着姿も初披露となる。「制服って一つのスイッチで、役づくりにもなるので、気が引き締まりますね。衣装合わせでいろんなパターンを用意してもらい、あずき色に決まりました」と、青い手術着で演じる大森とは陰影をつけた。
監修スタッフの指導のもと、「忠実に同じような器具を使って、所作などを学んでいます。今まではメスも見たことがなかったんですが、持ち方だったり、解剖の手順だったり、リハーサルを何回も重ねています」と役づくりの一端を紹介。実際の医療動画を見ながら学び、演技に生かしている。
「ご遺体を見たことなんてないですし、なんだか不思議な気持ちになったんです。すごくドキドキしながらも、これを受け入れなきゃなと思って、大森さんよりも前に出て、食らいつくように動画を見ました」と積極的に視聴。「これを自分が演じたらどうなるのかな…と。(動画は)皮膚や臓器にメスを入れたりして、かなり衝撃的でしたが、これも役づくりのため」と真剣に向き合っている。
実際の飯豊とは5歳上の役。「私が演じる中園景(なかぞの・けい)ちゃんは解剖について、ある程度の知識はあるんですけど、実際には経験がない。(解剖医としては超一流の)柚木さんの姿を見ながら学んでいく。私自身も景と一緒に大きく成長していきたい」と重ね合わせる。
情報収集にも余念がない。「実は、現職の女性解剖医さんは度胸があって、平然と解剖されるとお聞きしたんです。どこかで気を紛らわせないと参ってしまうので、解剖しながら『夜ご飯、何食べる?』といった会話をしていることもあるそうなんです。私はそこまでいけるかなぁ…とドキドキしています」と“中園景像”を模索している。
物語の舞台は「日本法医学研究院」。院長を尊敬しており、その一番弟子の解剖医、柚木のもとで“修行”したいと助手に志願。柚木に虐げられながらも、打たれ強く食らいついていく“絡み”が見どころの一つ。「パワハラを受けるような役。めげずにいなきゃ」と苦笑する。
「けなし合うみたいな」シーンもあり、双方のセリフの激しさについて、「台本を読んでいて、年上にこんな口の聞き方なんて出来ないと思いました。こんな距離感で接することなんて出来ないくらい」と強調する。「上司に対して、一を言われたら三で言い返す。普段の私は、こんなふうには絶対に言えない」と首を傾げたことも。
一方で、同世代について「今の20代、ゆとり世代後半や、さとり世代の人たちは(目上の方との接する)距離感が近いみたい」とも感じている。だから「そこのリアルな感じを強いハートをもって臨みたいなと思います」と、口に出しづらいセリフを並べた脚本側の意図も理解している。
放送枠は、天海祐希主演で全10話とも平均視聴率12%超(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調を維持した刑事ドラマ「緊急取調室」を引き継ぐ。テレビ朝日のゴールデン帯(午後7~10時)とプライム帯(午後7時~11時)はF3層(女性50歳以上)が高視聴率を押し上げているといわれており、「きっと、いつも(私を)見て下さっている層とは違うかもしれませんが、役と向き合うだけ。特に意識はしません」と気負いはない。
その反面、役柄には「申し訳ない、こんなセリフを言うのって、ちょっと難しいな、と思うくらい」の跳ね返りの強さを感じているだけに、「『今の若い子たちは、こうなんだ』と大人の人たちに嫌われないように。そう(ネガティブに)見られてはいけない瀬戸際の、さじ加減で」と気を引き締めながら演技に取り組んでいる。
◆飯豊 まりえ(いいとよ・まりえ)1998年(平10)1月5日生まれ、千葉県出身の21歳。2008年の「avex kids×ニコ☆プチ公開モデルオーディション」でグランプリ受賞。12年4月放送のフジテレビ「世にも奇妙な物語'12春の特別編」でドラマデビュー。現在は同局「にじいろジーン」(土曜前8・30)でMCのほか、「ニューバランス」ウィメンズアンバサダーも務めている。超刊スポニチ「マチメシ!!」のレギュラーとして町の中華、洋食、食堂などをリポート中。1メートル67。血液型B。