イッテQ! 審議対象以外に19の祭りも変更して放送 BPOが判断

2019年07月05日 17:13

芸能

イッテQ! 審議対象以外に19の祭りも変更して放送 BPOが判断
日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ!」について会見するBPOの放送倫理検証委員会 Photo By 提供写真
 日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!」(日曜後7・58)の「祭り企画」にでっち上げの疑いがあるとして審議してきた放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は5日の記者会見で、審議対象となった2件以外にも19の「祭り」に対して何らかの変更が加えられていたことを明らかにした。
 「祭り企画」はこれまで111回放送されており、審議対象分の2件を除く109回について日本テレビが自主的に調査し、同委員会に報告。その結果、「初開催」の祭りなのに「年に一度」などと定型化したナレーションを加えたものが他にも3件あった。

 また、過去に不定期で開催された祭りに対して「年に一度」と紹介したケースは9件。開催地の撮影許可などの事情で撮影場所を変更したケースは3件。元の行事の原型を失わない範囲でルールやコースのアレンジを要請し、認められたケースは3件。ロケスケジュールや演出上の理由で開催時期の変更を要請し、認められたケースは3件。計21ケースのうち、一つの祭りで重複しているのが2件あった。

 これらはタイ、ラオス、ミャンマーで開催されており、いずれも審議対象の2件と同じ70代の現地の男性コーディネーターが関わっていた。同委員会は「日本の制作スタッフが、特定のコーディネーターに対して、元の行事からのルール変更、開催時期の変更を要請することが少なからずあったことがうかがえる」と指摘した。

 審議の対象となった2件は、「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」のコーナーで、2018年5月20日に「ラオスでの祭り」として放送された「橋祭り」と、2017年2月12日に「タイでの祭り」として放送された「カリフラワー祭り」の2つの企画。同委員会は「放送倫理違反があったと言わざるを得ない」と判断した。「2つの『祭り』は、番組のために現地で用意したものであった」と結論づけた。それぞれの「祭り」について十分な確認をしないままに、「年に一度の」「前年王者」「今年も優勝の呼び声高い強豪」などのナレーションやスーパーをかぶせて、「出演者がもともとある祭りに参加しているように視聴者を誘導した」と指摘。この点で「多くの視聴者が番組に求める約束に反したものだったと言われても仕方がない」との見解を示した。
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