吉本興業 岡本社長 5時間20分謝罪会見 宮迫、亮へのパワハラ発言に「冗談だった」
2019年07月23日 05:30
芸能
怒りに火を付けたのが闇営業に関わった宮迫やロンドンブーツ1号2号の田村亮(47)ガリットチュウ福島善成(41)レイザーラモンHG(43)に対するパワハラ発言への釈明だ。宮迫らは20日の会見で、ヒアリングの際に「おまえらテープ回してないやろな」と恫喝(どうかつ)されたと主張。「会見したら連帯責任で全員クビ。俺はおまえら全員クビにする力があるんだ」などの発言もあったとして、圧力を感じたと語っていた。
岡本氏によると、6月24日の午前9時から4人をヒアリング。当初ウソをついていた宮迫らの闇営業のギャラの受領額などにも食い違いがあり、同席していた弁護士や社員を外して5人だけで話し合いを行ったという。そこで出たのが“テープ発言”だ。「(ヒアリングの空気が悪く)そういう冗談で和ませるつもりだった」と説明。4人が勝手な主張を繰り返したため“クビ発言”で叱責(しっせき)したという。ただ「おまえら全員、クビにする力があるんだ」については「標準語で怒ることはない」「普段の言い方からして言わない」と繰り返すなど言い訳に終始。パワハラについては「相手がそう感じているのであれば、そうですね」と暗に認めた。
この日は日本テレビの情報番組「スッキリ」で宮迫らの会見を見た、極楽とんぼの加藤浩次(50)が大崎洋会長(65)と岡本氏の退陣を要求するなど芸人の間で怒りが渦巻き、吉本が崩壊しかねない事態に陥っている。テレビ局関係者は「SNSや情報番組で批判している芸人も多い。会社に対して一揆が起こりかねない勢い。謹慎芸人の一人も“あまりにも勝手すぎる会見だった。本当に悲しいと漏らしていた”と聞いた」と指摘した。
岡本氏は宮迫、亮への処分撤回の意向と、大崎氏とともに今回の騒動の処分として「1年間の減俸50%」を発表。進退について辞任を否定し「そういうことを考える手前で今やらなければいけないことに専念したい」と強調した。会見で同社は「コンプライアンス強化」と「芸人ファースト」を掲げたが、大切なものが置き去りにされた印象は拭えない。波乱も少なくなかった吉本興業では最大級の危機。経営陣の今後の振る舞いを芸人も世間も見ている。
◆岡本 昭彦(おかもと・あきひこ)1966年(昭41)生まれ、奈良県出身の53歳。91年、吉本興業に入社。93年にダウンタウンの3代目マネジャーを務め、今田耕司、東野幸治らを全国区に育てた。日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」では「マネージャー岡本怒る」企画で人気に。現在は吉本興業ホールディングスと中核子会社の吉本興業の社長。天理大時代はアメリカンフットボール部のクオーターバックを務めた。