すべてが“熱い”ドラマ「全裸監督」 送り手のテンションもギンギン!
2019年08月19日 11:35
芸能
なかでも村西役の山田孝之の演技はもう“本人”レベル。AV撮影時に丁寧な言葉でエキセントリックにまくし立てる様子や、エロに対する情熱がすさまじい。山田自身も人気映画「クローズZERO」でハマリ役だった芹沢多摩雄の名前を挙げ「海外でセリザワと呼ばれることが多いのですが、これからはムラニシと呼ばれたい」と思い入れも半端ではない。
村西をベッドの上で組み伏せ、むさぼる黒木役の森田望智も強烈なインパクト。作中に登場する、ホラ貝を吹き倒す名作ビデオ「SMぽいの好き」も懐かしい。全8話をイッキ見したという視聴者も多く、爆笑問題の太田光、有吉弘行らも大絶賛する出来だ。
「全裸監督」は地上波ではもちろんのこと、映画でも難しいギリギリのレベル。有料だからこそできる挑戦である。現在、世界190カ国で配信されており、2015年9月の日本でのサービス開始以来、最大の反響という。「具体的な数字は出せないですけど年間1000作品ほどある中でマックス。本当に評判がマックスです」。送り手のテンションもギンギンである。
シーズン2の制作も決まった。これも作品のリリース発表に慎重を期すネットフリックスでは考えられない英断。シーズン1の配信からたった8日後の16日に発表したのだから、その期待値も計り知れない。日本の実写作品でシーズン2が作られるのも初めてだ。
「全裸監督」はプロジェクト立ち上げから2年半かけて制作された。山田らが初期の段階から携わり、役作りだけでなく、セットも極限まで作り込んでいる。「コンクリートの上のアスファルトまでこだわって作ってます。現実とは違うところはあるのですが、当時の歌舞伎町の空気感を再現。アイデアをもらって、それに合わせて現場で作っていく。武正晴監督も“今までの経験が恥ずかしいくらい役に立っている”と話してます」(関係者)。
出演者のコンビネーションも抜群でチーム村西として動くため、途中からは演出も要らなくなったという。その仲の良さは画面からも伝わる。アダルトビデオ創世期の物語。「全裸監督」には、人間のたくましさや哀しさ、生々しい営みから笑いまでが網羅されており、すべてが熱い。
村西のセリフ「ありのままの人間を撮って何が猥雑だ!」。その熱量こそが世界を動かす。エロでセリザワを抜けるか抜けないか。山田が「世界のムラニシ」と呼ばれる日。日本の“放送禁止”エンターテインメントが世界に認められたことになる。(記者コラム)