渡辺和史三段、石川優太三段がプロ入り決める 10月1日付で四段昇段

2019年09月07日 21:56

芸能

渡辺和史三段、石川優太三段がプロ入り決める 10月1日付で四段昇段
将棋のプロ養成機関、奨励会三段リーグで10月1日付でのプロ入りを決めた渡辺和史三段(右)と石川優太三段 Photo By スポニチ
 将棋のプロ入りを争う第65回奨励会三段リーグの最終日一斉対局が7日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、すでに1位が確定していた渡辺和史三段(24)と、石川優太三段(24)のプロ入りが決まった。10月1日付で新四段となる。
 渡辺三段は前節までに15勝2敗とし、ひと足早くプロ入りを決めていた。この日の最終対局も勝ち、現行制度で最多タイとなる16勝目を挙げた。「自分の実力からするとでき過ぎ。運に味方された」と控えめに喜びを表現。「トップ棋士とコンスタントに当たれるようにしたい」と抱負を口にした。

 東京都出身で、13年10月に三段リーグに初参戦。「1期目が1勝17敗で、指せば指すほど負けた。初めて奨励会に行くのが怖くなった」。それでも師匠の豊川孝弘七段らから「まだ先がある。二段に落ちてもいいくらいの気持ちで」と励まされ、のびのびと指せるようになったという。師匠は解説でのオヤジギャグを連発することで知られるが「弟子の前ではオヤジギャグをあまり言ってくれない」と苦笑い。それでも昇段の報告には「とても喜んでくださった」と感謝した。

 石川三段は13年4月にリーグ初参戦。13期目でプロ入りを決め「一局でも多く勝てるように、良い将棋を指せるようにしたい」と意気込んだ。得意戦法は三間飛車で、約1年前から多用し勝てるようになったという。前期はあと1勝までこぎ着けながら、最終日に連敗してプロ入りを逃す悔しさを味わった。この日も自力で昇段できる2番手で迎えたが、午前の対局で敗戦。「また同じことを繰り返すのか」とマイナス思考に陥ったものの、中盤以降は盤上に集中し、結果に結びつけた。

 三重県東部の川越町出身。同じ東海地方の愛知県出身の藤井聡太七段(17)とは、奨励会時代にネットで練習将棋を指していたという。「途中から全然勝てなくなった。せっかくなら、藤井さんと一局でもいいので指してみたい」と公式戦での対戦を希望した。大阪を拠点とする森信雄七段門下。森一門では12人目のプロ棋士誕生で、故佐瀬勇次名誉九段一門を抜いて将棋界での最大派閥になった。「大石さん(直嗣七段)や澤田さん(真吾六段)、西田さん(拓也四段)と以前研究会をしていて、気さくに話しかけていただいている」と兄弟子への感謝を口にした。

 奨励会三段リーグは4~9月と10~3月の年2回開催され、今期は33人が参加。上位2人がプロ入りするほか、次点(3位)を2度取ると順位戦フリークラスからの参戦という条件でのプロ入りを選択できる。なお、女性で唯一出場し、初の女性プロ棋士を目指している西山朋佳三段(24=女王)は、参戦7期目で7勝11敗の26位だった。
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