“語り部”山田雅人「今年は奇跡の年なんです」
2019年10月02日 05:00
芸能
怒濤の6連勝で逆転CS進出をつかんだ阪神と、ドン底も味わった松下幸之助氏、さらに前年の最下位からバース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発で優勝した85年日本一タイガースを重ね「かたり」を演じる。
元々、楽屋で「名馬物語」を語っていた山田に、放送作家・高田文夫氏(71)から「模倣芸でなく自分で芸を作れ」と勧められて09年に始めた「かたり」。偉人、有名人の功績、人柄を1カ月かけて周辺取材して調べ上げ、独特の語り口でストーリーを紡いでいく。第1作は「稲尾和久対長嶋茂雄」。1958年の日本シリーズで、西鉄が稲尾の好投で3連敗4連勝して日本一となった話。さらに79年日本シリーズ・近鉄対広島戦9回裏の攻防を語った「江夏の21球」。「江夏さんをゲストに呼んで語りました」と説明した。
山田は大の掛布ファンで17年に「掛布VS江川」を題材にした。阪神の主砲だった掛布雅之氏(64)と巨人のエースだった江川卓氏(64)の後楽園球場での対決を、笑いあり、涙ありの“かたり”で観客を魅了してきた。しかも、掛布、江川両氏をゲストに招いて舞台上で3人での語りに。「やりにくい訳がない。話しやすかった。(間違っても)ご本人が修正してくれます。舞台で完成。こんなに嬉しいことはありません」。
過去、故永六輔さん、有森裕子さん(52)らを横にして朗々と語ってきた。現在、持ちネタは120余り。年間80回の公演で全国を回る。17日には東京・内幸町ホールで、五輪女子レスリング3連覇の吉田沙保里さん(36)をゲストに呼んで語る。「ボクのライフワーク。CSという見せ場はやってきました。阪神は近本、木浪、高山、大山らが頑張ってほしい」。新しい題材に、05年以来の「阪神優勝」の作品を加えられるか。