「イラストレーター」先駆者、和田誠さん死去…妻・平野レミは憔悴
2019年10月12日 05:30
芸能
肺炎を患ってから和田さんは食事を取れなかったそうで、平野は「好きなご飯をたくさん作って、安らかな顔の横に置いてあげました」と手作り料理で最愛の夫を送ったことを明かした。そして「47年間、私の料理をおいしいおいしいって食べてくれて、本当にありがとう」と感謝した。
和田家は芸能一家としても知られた。長男はロックバンド「トライセラトップス」のボーカルの和田唱(43)、妻は人気女優上野樹里(33)。次男でクリエーティブディレクターの和田率氏(40)の妻和田明日香(32)はタレントで美容料理研究家としても活躍。平野は「最後は家族みんなに見守られる中、安らかにお別れをしました」と報告した。
周囲によると、パワフルな平野も最愛の人を失い、憔悴(しょうすい)しきっており、家族が温かく支えているという。
和田さんはマルチな才能の持ち主だった。多摩美術大卒業後、広告デザイン会社に入社。タバコ「ハイライト」のデザインで頭角を現した。77年から40年以上にわたって「週刊文春」の表紙を手掛けたほか、星新一、丸谷才一、つかこうへい、村上春樹各氏ら数多くの作家、劇作家の本で装丁や挿絵を担当。エッセー執筆やアニメーション制作なども手掛けた。
筋金入りの映画ファンが高じて、84年には「麻雀放浪記」(主演真田広之)で映画監督デビュー。88年の監督2作目「快盗ルビイ」(主演小泉今日子・真田広之)も脚光を浴びた。18年にはDREAMS COME TRUEのCDジャケットで虹のイラストを手掛け話題に。晩年まで第一人者として走り続けた。
◆和田 誠(わだ・まこと)1936年(昭11)4月10日生まれ、大阪市出身。多摩美術大卒業後、広告デザイン会社に入社。57年、手掛けたポスターが新人の登竜門「日宣美賞」受賞。64年にアニメ映画「殺人(マーダー)」を演出し、毎日映画コンクール・大藤信郎賞を獲得。68年独立後、数々の単行本や雑誌を担当。94年、菊池寛賞を受賞した。