ブラッド・ピットを崖っぷちに追い込んだ“あの男” アカデミー賞に向けたレースの行方は…
2019年10月30日 09:00
芸能
内容が暗く、かなり暴力的であることから当初「ヒットはしても、賞レースからは敬遠されるとみられていた」という。それが、ベネチア国際映画祭のコンペティションに出品されたところ熱狂的な支持を得て、見事最高賞の金獅子賞を受賞。ジョーカー役の俳優ホアキン・フェニックスの鬼気迫る演技に注目が集まった。
ホアキン・フェニックスは23歳で死去したリバー・フェニックスの弟。2000年の「グラディエーター」では憎々しい皇帝を怪演。ただのイケメンではないことを見せつけた。その後はクセのある演技で「ウォーク・ザ・ライン」(05年)、「ザ・マスター」(12年)で2度アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。
ジョーカーはバットマンの宿敵でDCコミックのキャラクター。いわゆるアメコミなのだが、映画はこれまでのアメコミものとは一線を画す内容。ヒーローなど登場せず、とにかく重く暗い。本国の米国でも「大ヒットにはならないのでは、という予想もありました」という。それがふたを開けたら劇場は満員。「先週末またボックスオフィスの1位に返り咲いたというんですから。強いです」と驚く。
ホアキンの演技は不気味。でもその中に、誰の中にもあるであろう闇が見え隠れする。映画館を出るとき、すっきりした気持ちにはならないが「すごいもの見たな」という気にはなる。「ブラッド・ピットは勝てないでしょう。巡り合わせが悪かったということで」と洋画関係者。ただ「アド・アストラ」を製作した20世紀フォックス、ブラッド・ピット・シンパのハリウッド業界人が「ブラッド・ピットにアカデミー賞を!」と一大プロモーションに動けば、形勢逆転の余地はある。ピット陣営に“ジョーカー”は隠されているのか。注目だ。