「スカーレット」イッセー尾形の存在感!早くも“フカ先生”ロス?戸田恵梨香を絶賛「共演者に火をつける」
2019年11月28日 15:30
芸能
イッセーが演じるのは、かつて日本画家だった信楽焼の火鉢の絵付け師“フカ先生”こと深野心仙(しんせん)。前任者の絵付け職人が辞めた信楽最大の窯元「丸熊陶業」に新たに招かれ、喜美子の師匠となった。とらえどころのないユーモラスな人物だが、創作への強い思いを心に秘めている。登場2話目となった第37話(11月8日)。絵付けに挑戦したい喜美子に対し「ええよ!」と即答。その後、何を聞かれても「ええよ!」を連発し、いきなり強烈なインパクトを残した。
2017年9~12月に放送された土曜時代ドラマ「アシガール」で制作統括の内田ゆきチーフプロデューサーとタッグ。「内田プロデューサーからのオファーでしたので、喜んでお返事しました。『アシガール』がとても楽しい現場だったので」と二つ返事で快諾した。
役作りについては「僕は昔、美術の教師を目指していたことがあるのですが、喜美子の絵付けの師匠である深野という人物は、僕が目指した美術の先生像に近い気がします」。第41話(11月15日)、日本画家として有名だったフカ先生は絵付け師に転身した理由を打ち明ける。それは、従軍画家を経験し「絵なんて一生描けんと思った」。その後、仕事を転々とし、火鉢と出会った。「これが戦争が終わったちゅーことや。火鉢の絵、見てな、実感したんや。まぁ何と贅沢な、何と贅沢なことを日本は楽しむようになったんや。僕は叫んだわ。『火鉢に絵。ええよ!』」――。
「台本3ページぐらいの長丁場のシーンで(笑)。でも、あのセリフの中に深野のすべてが込められていると思ったから、気を引き締めてセリフを覚えました。あのシーンをクリアすれば、ある程度、深野になれるかなと思いましたね。ただ京ことば のイントネーションがとても難しい(笑)。直前に方言の先生に確認して何とか演じました。5分もすると忘れてしまうけど(笑)」と視聴者の感動を呼んだシーンの舞台裏を明かした。
座長・戸田との芝居は「スタジオのドアを開けると、明るい熱気がありますね。真剣だけど楽しい現場です。喜美子役の戸田さんは、共演者に火をつけてくれる人。芝居はセリフの通りに演じていても、生の人間同士が向き合っているのだから、目には見えない何かが起きるんですね。でも普通はそれには目をつぶって、台本の順序通りに演じていくものなのですが、戸田さんといると、台本には描かれていないさまざまなものを投げてもいいかなと思わせてくれます。球を投げるよぉと言って投げなかったりとかね(笑)。言葉のキャッチボール自体を楽しめる。それぞれの役の人間像が豊かに膨らんでいく気がします」と絶賛した。
そして「僕は昭和27年生まれだから、昭和30年代は僕らの親の時代ですね。スマートフォンもなければパソコンもない、社会がまだ手の延長線上にあった時代です。ドラマに出てくる火鉢は、まさに時代を象徴しています。火鉢は円いから、家族が自然と集まって囲む暮らしをしていました。火鉢の傍らで母親が繕い物をしていたりね。火鉢の上をまたいで“股火鉢”とか暖かかったなぁ(笑)」と火鉢の思い出を語った。
4作目となる朝ドラについては「半年間という長いスパンで放送される“時間の大金持ち”なドラマ」と表現。「主役も目いっぱい楽しめますが、見ている人たちも心が豊かになっていくと思います。そういう素晴らしい仕事に携われた自分もそうです。見てくれる人たちも健康的な朝が迎えられるのではと思っています」。丸熊陶業が火鉢の生産を縮小するため、信楽を去るフカ先生。第52話(11月28日)、長崎にいる30代男性の絵付け研究家に弟子入りすることが明かされた。最後までイッセーの演技を目に焼き付けたい。