希代の悪代官、山本昌平さん死す…貫いた悪役「悪役の悪という字には心がある」
2019年11月29日 05:30
芸能
山本さんは1957年に劇団七曜会の研究生となり、俳優業をスタート。70年「濡れ牡丹五悪人暴行篇」、74年「暴力街」などに殺し屋やヤクザといった役で出演。眉をそってインパクトの強い敵役を演じた。
「他の人が嫌がることをやりたい」と、生涯悪役を貫いた。晩年は福祉施設の訪問などに力を入れており、東日本大震災の被災地となった東北への慰問も行っていた。講演会では「悪役の悪という字には心がある。善という字には口はあるけど心はない」というのが常套(じょうとう)句だった。
テレビでは「暴れん坊将軍」「遠山の金さん」などの時代劇を中心に活躍。「水戸黄門」には故東野英治郎さん(享年86)が主演した初代から、5代目の里見浩太朗(83)まで全シリーズに悪代官として出演した。85年にはスーパー戦隊シリーズ9作目「電撃戦隊チェンジマン」で敵役のギルーク司令官を演じた。
◆山本 昌平(やまもと・しょうへい)1938年(昭13)1月17日生まれ。台湾で生まれ、中国・海南島で終戦を迎える。57年劇団七曜会の研究生入り。61年コメディアンに転じ浅草フランス座で坂上二郎らと舞台を踏んだ。その後俳優の道に進み、五社英雄監督の映画「暴力街」、日本テレビ「太陽にほえろ!」など出演。83年には八名信夫らと「悪役商会」の結成に参加した。