山田洋次監督、出身地・豊中で先行上映会 浜村淳との“172歳トーク”で秘話明かす
2019年11月29日 17:46
芸能
「あんなに頭のいい人に会ったことがないくらいクール、読書家」と山田監督は普段の渥美さんを語り、寅さんを演じる瞬間「おっちょこちょいでおせっかいやき。渥美さんの中に寅さんはいる」と変貌するさまを物語った。
浜村は山田監督の演出や脚本を絶賛し、とりわけ含蓄あるセリフを取り上げる。「“困ったことがあったらな、風に向かって俺の名前を呼べ。おじさん、どっからでも飛んできてやるからな”。こういう泣かせるセリフ、脚本の段階でできてます?」に対しては、「ひねり出す場合と現場で考えることもある。渥美さんの顔を見ていると色んな言葉が浮かんでくる」と即答した。
人物描写の妙についても言及し、「どんな人も優しく見るとおかしなところが見えてくる。真面目な人も立派な方もちょっと角度を変えると滑稽だという見方ができる」と笑って泣かせる山田作品の細かな技術を解き明かす。その一方で、念願の小説家になった満男(吉岡秀隆)の初恋の人・イズミ役で出演する後藤久美子(45)について、「フランスに住んでるんでしょ?」との問い掛けに、「スイスかな」とツッコミを入れる緩急自在のやりとりで会場を沸かせた。
また、同市内には山田監督の生家が現存するそうで、「僕の父が建築がとても好きで、新婚の家は自分で設計したくて。当時としてはかなりおしゃれな赤い大きな屋根のあるモダンな感じの家を設計して建てた」とも回想していた。