藤本美貴　目指すは“臨月ユーチューバー”！？ありのママ言いたいこと発信「自分に合っている」

　【夢中論】“ミキティ”こと藤本美貴（34）。往年のアイドルも、今や「ママタレ」の代表選手だ。年明けにも第3子を出産予定の大きなおなかも何の、10月に立ち上げたネット動画チャンネルを、週2、3回のハイペースで発信中。飾らない語り口が支持を得て「自分に合っている」とのめり込む。信条は「魂の欲するまま」。目指すは“臨月ユーチューバー”！？ 　11月下旬、東京・恵比寿での動画収録。会議室の隅をスタジオ代わりに、身重の体を椅子に預けながら、パソコンの向こう側から届く視聴者のコメントに屈託なく答えていく。

　動画チャンネル「ハロー！ミキティ」を10月19日に立ち上げ、現在まで登録者は約3万2000人。株のトレーダーや占い師、催眠術師など、興味がある人を招いて質問攻めにしたり、出産間際の体調を報告したり。自由気ままなミキティワールドを、動画配信の専門スタッフが1回十数分に凝縮している。

　この日は、かつて在籍した「モーニング娘。」の現役メンバーを招いた回の反省会。OGなのに、名前もおぼつかない様子が「ミキティらしい」「OG失格」と賛否両論を呼んだ。中には「普段後輩に興味ないくせに、アクセス稼ぎ」との批判も。すぐさま「興味がないんじゃない。知らないだけ！」と、あっけらかんと反応するが「それを怒られてるって話だよね」と素直に反省。周囲のスタッフから爆笑が起きる。

　「テレビは自分の役割が決まっていたりするし、たくさんの人が見るので気を使うところもある。でもユーチューブは“そのまんま”なところが気に入ってます」。ズバズバと物を言う姿も「“素”ですよ」と笑う。

　オープンで率直な語り口は「視聴者からも“いわゆるカワイイアイドルとは思ってなかったけど意外でした”なんて言われることもある」というが、うそと嫌みがなく不思議とあったかい。

　元々誰に対しても、言いたいことを言うタチだった。「アイドルのころも“これってこうじゃない？”と思ったら、どんな偉い人にもすぐ聞いちゃっていた。何か疑問に感じると、そのままではいられない」と話す。

　同時に自分自身が絶対的な正義という過信もあった。象徴的だったのが07年のモー娘脱退。リーダー就任後1カ月もたたないうちに夫でお笑い芸人の庄司智春（43）との交際が発覚。周囲への迷惑など全く考えず脱退した。風当たりは強く半年ほど完全に仕事がなくなった。

　「人のことを考えず“思うまま”を突き通せば“わがまま”になってしまう。それが痛いほど身にしみた」

　復帰してからは「相手の思いをしっかり聞く」ことを心がけたうえで、言いたいことを言うようにした。「波風が立つこともあるけど、話さなきゃ伝わらないこともある。立場の違いをあきらめず、互いの目指すゴールに向けて話し合うのは大事だと思うんです」

　家庭でも言いたいことを言い合う。庄司とは「すごくケンカをする」。離婚危機も「何度かあった」。しかし今では誰もが認めるおしどり夫婦だ。

　動画チャンネルにも庄司はしばしば登場し妊婦健診に同行するなど大活躍している。

　言いたいことを言うだけに「炎上」のリスクも付きまとう。「身重で動画に出るだけで“不妊で困ってる人もいるのに…”と言われるかもという思いはある」と話しつつ「最低限わきまえていれば、気にする必要はない」と割り切る。

　出産間際まで働く姿に励まされる人もいるだろう。「流されて自分を見失ってはだめ。思い描く夢やゴールに向かい、魂が欲するまま生きていいんだよ、と言いたい」と動画への思いを語った。それがママタレならぬ「ありのまま」の“ままタレ”の流儀。「臨月まで動画、続けようかな」とほほ笑みながら、いとしげに大きなおなかに手を添えた。

　《今月末からネット販売「ソノママメイド」、化粧品共同開発でも“そのまま”重視》新たに化粧品の共同開発にもチャレンジ。その名前にも“そのまま”な生き方が反映された。今月末からネット販売される化粧水・乳液「ソノママメイド」（価格未定）。名付け親も務めた。アンチエイジングへの高い効果が期待される「ヒト幹細胞培養液」3種類を配合。“そのまま”の素肌の美しさを実現できる。「若い時は顔の上に何を乗せるかが大事だったけど、母親になるとすっぴんでいる方が長い。オーガニックやオシャレな美容法は続けられる気がしない私でも“そのまま”で勝負できる」と効果を実感している。

　◆藤本　美貴（ふじもと・みき）1985年（昭60）2月26日、北海道生まれの34歳。01年10月に女優としてソロデビュー。翌年3月に歌手デビューし、03年1月に「モーニング娘。」加入。12年3月に第1子男児、15年8月に第2子女児を出産。愛称「ミキティ」は実名と「ハローキティ」をかけたもの。血液型A。