流行語大賞 エンタメ系「闇営業」だけ…暗い話題続いた芸能界の1年象徴
2019年12月03日 06:45
芸能
エンタメ界からは、芸人らが振り込め詐欺グループの会合に出席してギャラを受け取った「闇営業」が入ったが、これは不祥事から生まれた言葉。ポジティブなエンタメ語がなく全体的にネガティブな言葉が並ぶ傾向について、選考委員で東大名誉教授の姜尚中(カンサンジュン)氏は「“しらじらしい闇”が広がり、はじけるような流行語・新語が見いだしがたい1年だった」と顔をしかめた。
「闇営業」だけでなく、暴行被害を訴えた元NGT48の山口真帆(24)の騒動や相次ぐ芸能人の薬物事件など、エンタメ界は暗い話題が続いた1年だった。かつては「ワイルドだろぉ」(12年)や「ダメよ~ダメダメ」(14年)など、お笑い芸人の一発ギャグが年間大賞を獲るのが恒例となっていた時期もあったが、今年はノミネート30語にも入らなかった。選考委員でコラムニストの辛酸なめ子さんは「お笑いの言葉がなかったのは残念。闇営業騒ぎで、全体的にトーンダウンしたのかもしれない」と話した。
一方で選考委員らが声をそろえたのはスポーツの力。姜氏は「ONE TEAM」などラグビー関連の言葉に「思いもしないところから国民の熱狂が出た」と目を細めた。
辛酸さんは「誰かに笑わされるのでなく、自発的に笑うことで幸運が訪れると“スマイリングシンデレラ”が教えてくれた。一方で“笑わない男”も話題になった」と指摘。SNSが広く浸透したことから「価値観が多様化し、テレビの話題は局地的な盛り上がりで終わっているようだ。一方で、誰かを叩くのは凄く盛り上がる。選考はどんどん難しくなっていく」と令和時代の傾向を分析した。
≪恒例だったお笑い芸人のフレーズ≫エンタメ関連のヒットワードとして、昨年はトップ10にドラマ「おっさんずラブ」と、NHKのバラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」から「ボーっと生きてんじゃねーよ!」が入っている。2017年は、ブルゾンちえみの「35億」、2016年はピコ太郎の「PPAP」、2015年はとにかく明るい安村の「安心してください、穿(は)いてますよ。」とお笑い芸人のフレーズが入ることが恒例だった。