「いだてん」全話平均8・2% 大河歴代最低更新&初の1桁 ネット好評&席巻も…
2019年12月16日 09:06
芸能
最終回も放送終了約30分後の時点で「#いだてん最高じゃんね」がツイッターの国内トレンド1位。「ブルーインパルス」(15位)「ストックホルム」(19位)も20位以内に入った。さらに「いだてん」(4位)「金栗四三」(5位)「クドカン」(7位)「美川」(8位)「ブルーインパルス」(19位)がYahoo!リアルタイム検索の20位以内に。毎回、複数の関連ワードでネット上が賑わい、辛口の視聴者が多いYahoo!テレビの星取りも平均3・80点(5点満点)(15日午後8時時点)とネット上で熱烈に支持された。
しかし、序盤で離れた視聴者は戻らず。特にメインターゲットのF4層(女性65歳以上)とM4層(男性65歳以上)が、初回と第46話(12月8日)で比べると、半分以下に激減。この層をテレビ朝日(大阪・朝日放送制作)「ポツンと一軒家」(日曜後7・58)に奪われ、2月以降は苦戦が続いた。「ポツンと一軒家」は9月29日に番組最高20・8%をマークしている。
歌舞伎俳優の中村勘九郎(38)と俳優の阿部サダヲ(49)がダブル主演を務めた大河ドラマ58作目。13年前期の連続テレビ小説「あまちゃん」で社会現象を巻き起こした宮藤官九郎氏(49)が大河脚本に初挑戦し、オリジナル作品を手掛けた。来年20年の東京五輪を控え、テーマは「“東京”と“オリンピック”」。日本が五輪に初参加した1912年のストックホルム大会から64年の東京五輪まで、日本の激動の半世紀を描いた。
勘九郎は「日本のマラソンの父」と称され、ストックホルム大会に日本人として五輪に初参加した金栗四三(かなくり・しそう)、阿部は水泳の前畑秀子らを見いだした名伯楽で64年の東京大会招致の立役者となった新聞記者・田畑政治(まさじ)を熱演。「昭和の大名人」と呼ばれる落語家・古今亭志ん生(1890~1973)を物語のナビゲート役に据え、志ん生役にビートたけし(72)、若き日の志ん生・美濃部孝蔵役に俳優の森山未來(35)を起用した。
“当たらない”と言われる“近現代大河”は86年「いのち」以来33年ぶり。チャレンジングな内容で識者の評価も高く、特に第39話「懐かしの満州」などは、五りん(神木隆之介)が志ん生に弟子入りするきっかけになった父・小松勝(仲野太賀)の形見の絵ハガキに「志ん生の『富久』は絶品」と書かれていた理由が明かされるなど、初回からの“壮大な伏線”を回収。宮藤氏らしく時間軸が行き来する巧みな構成はファンを魅了したが、その複雑さは従来の大河視聴者やライト層には敬遠される結果になった。
最終回は「時間よ止まれ」。1964年(昭39)10月10日。念願の東京五輪開会式当日。田畑(阿部)は国立競技場のスタンドに一人、感慨無量で立っていた。そこへ足袋を履いた四三(中村)が現れ、聖火リレーへの未練をにじませる。最終走者の坂井(井之脇海)はプレッシャーの大きさに耐え兼ねていた。ゲートが開き、日本のオリンピックの歩みを支えた懐かしい面々が集まってくる。その頃、古今亭志ん生(ビートたけし)は高座で「富久」を熱演していた…という展開だった。