【日本映画大賞・監督賞】「蜜蜂と遠雷」石川慶監督 しずく一つに意味 こだわりの絵
2020年01月22日 05:30
芸能
NHKが制作するショパンコンクールのドキュメンタリーも参考にしたと話す。「ステージ脇で緊張している若い子たちを見ているだけで、こちらも手に汗を握る。うまくいった時の笑顔を見れば、一緒に喜べる。そうした瞬間を切り取っていけば勝ち目はあるんじゃないかと思った」
セリフでくどくど説明するのは避けた。疾走感を出すために馬の映像を挿入したり、しずく一つにも意味を持たせるなど、絵にもこだわった。松岡茉優が演じた栄伝亜夜と鈴鹿央士扮する風間塵の連弾は長く語り継がれそうな名場面となった。
ショパンを生んだポーランドの国立大学で映画を学んだ。今作が2本目の長編。配信など上映環境が多岐にわたる時代だが、「自分としては映画を意識して作っていきたい」と頼もしい俊英だ。