世界初の心臓病治療法に挑む心臓血管外科医・澤芳樹氏を追う 2・2「情熱大陸」
2020年01月31日 16:50
芸能
そんな心臓病の分野で、画期的な治療法に挑戦してきた1人の心臓血管外科医がいる。澤芳樹(64)は、心臓そのものの力で心臓機能を回復させる世界初の治療法に挑んでいる。阪大医学部で教授を務める澤。07年に重症心不全の患者に患者自身の筋肉から培養した世界初の心筋細胞シートの手術を行った。「サイトカイン」という細胞の増殖など、多様な細胞応答を引き起こすタンパク質が多く含まれる太ももの筋肉から細胞シートをつくり、心臓に直接貼り付けて、弱った心筋を元気にするという再生医療だ。16年に保険適用となり、心不全治療に役立つ治療法の1つとなった。
昨年は、より普及しやすい治療法として、心筋細胞を直接心臓に噴霧する「細胞スプレー法」の治験を開始。心筋細胞シートを進化させたiPS細胞による画期的な治療法の治験を目指している。再生医療の新たな世界を切り開く心臓血管外科医・澤医師の「心臓病では死なせない」という強い意志を貫き、闘い続ける日々を追う。
▼澤 芳樹(さわ・よしき)大阪府生まれの64歳。三国丘高校から1980年3月、阪大医学部卒業後、同大医学部第一外科に入局。06年、阪大心臓血管・呼吸器外科教授、阪大医学部附属病院未来医療センターのセンター長に就任。現在、阪大大学院医学系研究科心臓血管外科教授、日本再生医療学会理事長。趣味はドライブと庭いじり。