Perfume、EXILEドーム公演、開場3時間前急きょ中止…新型コロナ自粛要請でファン混乱
2020年02月27日 05:30
芸能
ただ、前日25日に厚労省が「イベントなどの開催について、現時点で全国一律の自粛要請を行うものではない」との基本方針を発表しており、わずか1日での方針転換に主催者らが対応に追われた。
音楽界ではライブイベントが軒並み中止される事態となった。26日に予定されていたPerfumeの東京ドーム、EXILEの京セラドーム大阪公演が相次いで中止。エイベックス・マネジメントは、来月11日までに予定していた浜崎あゆみ(41)、倖田來未(37)ら所属歌手9組の全15公演を自粛とした。演歌の興行を行う夢グループも約8万人が来場予定だった3月開催の66公演を延期した。
Perfumeは26日がツアー最終日で、前日25日の公演は予定通り開催した。チケットは1枚8800円で、1公演で5万人を動員となれば4億4000万円に上る。これを払い戻すための経費がかかる上、既にさまざまな経費が計上されている。感染症での中止は興行中止保険が適用されないため、主催者側が負担。EXILEの公演も同様で、関係者は「損害額は億単位になるだろう」と話している。
両グループの公演中止はいずれも午後2時台に発表された。ライブの開始時刻まで5時間を切り、開場はPerfumeが午後4時半、EXILEが午後5時と3時間足らずで、既に会場付近には多くのファンが集まっていた。興行関係者は「政府の要請には従わざるを得ないが、急な発表では主催者側も観客も混乱するだけ。別の方法もやり方もあったはず」と話した。
ライブ参加を予定していたファンからは、SNS上で不満の声が上がった。「対応策を後手後手にした政府が悪い」「ギリギリに中止の要請をしてきた政府が問題。Perfumeも被害者だ」などと、遅すぎる対応に怒りが渦巻いた。
≪保険適用外、主催者側が負担≫コンサートやイベントが中止のケースに備え、主催者側は「興行中止保険」を利用することが多い。台風や豪雨などの悪天候や出演者のケガ・病気で興行できない際に支払われるものだが、感染症は適用外。同保険を扱うグッド保険サービスは「損害のリスクや規模が予測できないため保険の概念として感染症を入れることは難しい」という。
主催者は会場のキャンセル費、チケットの払い戻し費用などを支払うことになる。音楽関係者によると、延期の場合は設営費などの実費で済むが「今夏は東京五輪があり、今後大きな会場を押さえるのは難しい」というのが現状だ。
◆26日までに発表された主な中止、延期、無観客
◇中止 米津玄師 27、28日の宮城公演と3月7、8日の三重公演。
◇中止 星野 源 3月4、5日の横浜公演と同17、18日の大阪公演。いずれもファンクラブ向け。
◇中止 福山雅治 3月19、21、22日の横浜での30周年記念公演。
◇中止 King Gnu 29日のマリンメッセ福岡、3月5日の大阪城ホールでのコンサート。
◇中止 狩野英孝 小島よしおと3月11日に仙台で予定していたトークライブ。所属事務所は同7~11日のライブ一部。
◇中止 歌舞伎 2月29日以降、国立劇場などでの歌舞伎公演。
◇中止 劇団四季 27日~3月8日に予定されていた全国5劇場の公演。
◇中止 NHKのど自慢 3月1、8、15日の開催取りやめ。
◇中止 おかあさんといっしょファミリーコンサート 29日と3月1日の愛知公演と同7日の北海道公演。
◇中止 TOEIC 3月1、8日実施テスト。18万人が受験予定だった。
◇延期 清水翔太 27日に大阪バースデーライブ。
◇無観客 東京ガールズコレクション 29日に東京・国立代々木競技場第1体育館で開催。