国会質問で議員が注力するフリップ 経済政策を「たこ焼き店」に例えるケースも
2020年03月05日 09:30
芸能
2月26日に行われた衆院予算委員会では、日本維新の会国対委員長の遠藤敬氏が、安倍晋三政権の経済政策を「たこ焼き店」の経営になぞらえて質問。この時に使ったフリップに注目が集まった。
「安倍屋を建て直すには」と題し、たこのサイズの工夫を「行政サービスの効率化」と置き換えたり、一つ一つのたこ焼きをおいしくするためには「お金の使い方をもっと工夫する」などとして、ソースだけをかけたたこ焼きと、さらにマヨネーズをトッピングしたたこ焼きのイラストを添え、視覚的にも訴えた。
遠藤氏の選挙区は大阪18区。本人に聞くと「たこ焼き屋さん(安倍屋)にしたのは大阪のPRとともに分かりやすく説明するためです」と話す。自身でイラストのイメージを用意し、業者に発注して作ってもらったという。
そもそも国会質問でフリップパネルの登場が目立つようになったのは、1996年、住宅金融専門会社(住専)の不良債権処理をめぐり紛糾した「住専国会」のころ。旧新進党の議員が質問に使い、テレビ中継もされた。
色使いなどで違いがあるようだが、一般的な相場は1枚1万円という。議員にとっては、国民を代表して質問に立つという大前提とともに、地元の有権者に働いている姿を見てもらう晴れ舞台でもある。だからこそ、ひと目見て分かりやすいイラストを目指し、色味やデザインに力を入れる。業者と何度も話し合って作っていくケースも多いようだ。
新型コロナウイルスによる肺炎の拡大のほか、東京高検の黒川弘務検事長の定年延長問題、桜を見る会…。課題はまだまだ尽きない。その議員がどんなことに向き合い、どう考えているのか。力を込めるからこそ、そんなことが浮き彫りになってくるのがフリップでもある。議論の内容とともに、注目していきたい。(記者コラム)