新型コロナ感染拡大 相次ぐイベント中止 自粛長引けば音楽業界“破綻”
2020年03月15日 11:00
芸能
週刊誌記者 1995年の阪神大震災が発生した当日以外は、何があっても休まないと言われた吉本興業の拠点、大阪・なんばグランド花月も休演を決断した。
リポーター 安倍晋三首相による先月26日の自粛要請の後、報道向けの取材現場もめっきり減っています。
本紙デスク 疫病の流行は中止や延期になった興行を補償する興行保険でカバーできず、保険金が支払われない。当座の損失補てんもできない状況で、芸能界にも混乱が広がっている。
ワイドショーデスク そんな中、椎名林檎が率いるバンド「東京事変」が、先月29日、今月1日の東京公演を強行し議論を呼んだ。
リポーター 2012年の解散公演が2月29日だったなどの事情が理由に挙がった。
週刊誌記者 この会場での2日間公演を中止すれば、損害は数千万円規模に上ったとも聞いた。金銭的理由もあったのでは。
本紙デスク しかし今月4日には、他の公演を中止する決断をした。背景には予想を上回る世論の反発があった。あるメンバーのSNSに「細菌テロを起こす気か」「殺人未遂に等しい行為」など猛烈な批判が寄せられたと聞く。精神的に疲弊したそのメンバーが、自身の離脱か中止かを強く迫ったようだ。
ワイドデスク 同じ時期に、大阪市のライブハウスで集団感染が起きるなど、音楽イベントへのイメージが悪化したこともあったのだろうね。
週刊誌記者 ただ、公演を中止、延期することで生じる損害がばく大だということが置き去りになりつつある。
リポーター RADWIMPSの野田洋次郎がツイッターで「自己破産」という言葉を用いて、アーティストや事務所への打撃の大きさを訴えていたよね。
本紙デスク 現状は、アーティスト側がそうした声を発信するだけでも「お金の方が大事なのか」などと批判の対象になる。もちろん中止、延期は感染拡大のためやむを得ない。芸能ビジネス全体が追い込まれている。
ワイドデスク アーティストには死活問題だ。何とかしたいね。
本紙デスク 4月いっぱい公演の自粛が続けば、音楽業界全体が破綻すると訴えているイベント会社幹部もいる。一刻も早い終息はもちろん、公的な資金援助を速やかに行う手段を模索すべきだ。