壇蜜「半沢直樹」好演も“初心”忘れず「少しは成長していると自負しないで」7年前の撮影秘話も克明記憶
2020年03月17日 10:00
芸能
今回のラジオドラマは、半沢の倍返しを食らった敗者にスポットを照らすオリジナルストーリー。テレビ東京「ゴッドタン」や昨年10月期のTBS日曜劇場「グランメゾン東京」のスピンオフ「グラグラメゾン東京~平古祥平の揺れる思い」などで知られる人気構成作家のオークラ氏(46)らが脚本を手掛ける。
TBSラジオ「ACTION」(月~金曜後3・30)内、毎週火曜午後4時10分頃から放送される全4章(全8話、各話約10分)。2月11日にスタートし、第1章(第1話、第2話)には東京中央銀行大阪西支店元支店長・浅野匡役の石丸幹二(54)と妻・利恵役の中島ひろ子(49)、第2章(第3話、第4話)には東京中央銀行元人事部次長・小木曽忠生役の緋田康人(56)、小木曽の出向先の部下・竹内遥役の笹本玲奈(34)が登場した。
宇梶が演じた西大阪スチールの社長・東田は浅野支店長(石丸)と手を組み、5億円の融資を受けた後、計画倒産を決行。見返りを浅野に渡し、自身は多額の隠し財産を作り、逃走した。しかし、この一件の全責任を押し付けられた半沢の反撃に遭い、ついに隠し資産を差し押さえられる。最後は剣道有段者の半沢にあっけなく返り討ちにされ、見事なまでに倍返しを食らい、敗れし者の1人となった。
壇蜜が演じた藤沢未樹は、東田の愛人。計画倒産による隠し財産で自身のネイル店をオープンすることを夢見ていた。しかし、東田は金がすべてで自分への愛情がないことを知ると、出店を事業として正当に評価してくれた半沢のバンカーとしての姿勢に心が動く。隠し財産の在処をバラし、東田を裏切った。壇蜜は、東田への愛と半沢の正義との間で揺れる難役を好演。女優としてステップアップした。
今月10日に放送された「元西大阪スチール 東田満社長編」前編。東田は粉飾決算による詐欺などの罪により、懲役2年2月の有罪判決が下され、収監されることに。その1カ月後、未樹が面会に訪れた。2人はどうなるのか…。
2月中旬に収録を行った壇蜜は「ドラマ上はホステスとお客さんに映っていたかもしれませんが、私は2人が強い絆で結ばれていたことが前作の時点で分かっていたので、今回、2人の“その後”が描かれて、うれしいです」と喜び。7年ぶりの未樹役には「お久しぶり~という感じで、凄くゾワゾワしました。私自身が小物とか色に鈍感な方なので、当時、真逆の感性を持つ未樹の美に対する繊細がうらやましかったことを思い出しました。『そういや私、未樹のことがうらやましかったわ』」と心境を明かした。
今も印象に残るのは第5話、東田が水槽の中から隠した通帳を取り出す場面。「青いスズメダイがいっぱいいる岩の家に通帳を隠していて、そこに東田さんが手を突っ込むシーンなんですが、テストの時点でスズメダイがみんなビビッちゃって岩から出てこなくて(笑)。ペットトレーナーさんが『困ったなぁ』とつぶやいたのが一番おもしろかったです(笑)。本番まで時間を置いて、監督の狙い通り、東田さんがスズメダイを蹴散らすように通帳を取り出すシーンは撮れました」と克明に振り返った。
壇蜜は12年の映画「私の奴隷になりなさい」に主演し、演技初挑戦。女優として歩み始めた頃に出会ったのが「半沢直樹」だった。
「新人時代にお世話になった現場。たどたどしくワンテンポ遅れて人に付いていくような感じで、ご迷惑を掛けたという反省があります。あれから年数が経ちましたが、少しは成長していると自負しないで、あの頃の気持ちは忘れないようにしたいです。自分の評価じゃなく、他人から評価されて初めて自信につながるものだと思いますから。そして、いくつになっても、ああいうセクシーな衣装の役をオファーされても『はい、分かりました!喜んで』と、ちゃんと言えるように準備していたいなとは思います」。女優・壇蜜の“原点”の1つになっている。
ラジオやradikoに加え、没入感あふれる音声コンテンツ「AudioMovie」でもストリーミング配信。TBSラジオは「オリジナルオーディオドラマ」と銘打っている。