「プロフェッショナル」本木雅弘に密着も“迷宮”入り?本木は思わず本音?役者への悩み「結局、防衛行為」
2020年03月28日 09:30
芸能
本木が演じるのは、光秀の主君・斎藤道三。出家前の「斎藤利政」時代から描かれている。
特に話題を集めたのは第2話「道三の罠(わな)」(1月26日)のラスト。道三は、娘・帰蝶(川口春奈)の夫で美濃の若き守護・土岐頼純(矢野聖人)が宿敵・織田信秀(高橋克典)と取引し、自身を裏切った証拠をつかみ、茶に毒を盛って容赦なく頼純を殺害した。インターネット上には、本木がサントリーの緑茶飲料「伊右衛門」のCMに出演していることと結び付ける視聴者が続出。“緑茶毒殺”などと注目された。
翌1月27日には「伊右衛門」の公式ツイッター「伊右衛門タイムライン茶屋」が「こころに、お茶を。」のコピーの入った本木の妻役・宮沢りえ(46)の画像をアップし「昨晩は、主人が熱演のあまり、皆さまをお騒がせしましたようで、すみません。まずは心を落ち着け、茶などお召し上がりくださりませ。妻より」と反応。ハッシュタグも「サントリーがくる」とシャレが利き「サントリーも粋な対応」などと反響を呼んだ。
今回は「プロフェッショナル」の「バイオリニスト・樫本大進」「脚本家・坂元裕二」などを手掛けた2011年入局の若手ディレクター・東森氏が密着。本木は「東森さんが『おくりびと』(アカデミー賞外国語映画賞などに輝いた08年の主演映画)とお茶の広告以外、私が何をしている人なのかよく分からない、ぐらいの感じで来られたので、『この人にのぞかれるのも随分賭けだな』と思ったんですが」と苦笑いしながら「ある意味、先入観に汚れていない東森さんを通して、どんなふうに自分が切り取られるのかというのは、おもしろいかもしれないと思いました」
その東森ディレクターは「結局まだ本木さんがどんな方なのか、分からないんですよね。皆さんがお持ちのパブリックイメージでも『ミステリアス』というものがあると思いますが、いまだに分からない部分も多いです。奥さんの内田也哉子さんにもお話をうかがったんですが、結局、也哉子さんも『分かりません。私も分からないから、東森さんも“本木迷宮”に入っちゃいましたね』と言われたんですよ。『捉えどころのないところが彼の個性』というふうに、矛盾していたり捉えどころがなかったりすることを能動的にやっているところもあるし、自身の目指す姿としてメジャーな存在でいたいと言う日もあれば、もっと尖った表現者でありたいと語る日もあって、インタビューしていても内容が変わることがありました。でも、その両軸とも持っていて、本木さんの言葉を借りると『自分は何者なのか自分で決めてしまったら、限界値を定められた気分になる』と。だから、できるだけ規定されたくない。そういう彼の矛盾する中で揺れていることが、結果的にミステリアスな人を作っているのかもしれません」
2月下旬、今回の番組が発表された際、本木が密着取材にOKを出した理由は「長い間、役者として踏み迷っている感覚が抜けない。敢えて嫌なことをすれば、次に進むための“真実”が見つかるかもしれない」とあった。
「役者というのは、ある人間(役)に寄り添って、その立場に共感して、その気持ちをある瞬間、体現してみせる。それが役者の仕事だとしたら、いつも何かそこに行き着けない、浸り切れない自分がいる。演じるためにと思って、つい客観的になりすぎて、どうしても、その人間に対する温度が低くなっちゃう。寄り添い切れない。そういう自分が歯がゆいし、苦しい。という悩みを、密着取材の間、東森さんにアピールしてきたんですが、途中で、それも自己演出の1つなんだな、とバレていきました。ネガティブなことを言うのは結局、どこかで『そんなことないですよ』と言ってほしいだけの防衛行為なわけです。結局は、そういう弱さを持った自分のことも肯定してもらいたい、というのが狙いで悩んだフリをしている。という自分の浅さが晒されてしまったんです。それでも、東森さんがしつこく『本木さんが本当にやりたいことは何ですか?』とか聞いてくるから、自分があぶり出されちゃって、思わず『程々に希望して、人生を楽しくあきらめていくこと』が理想という矛盾した本音を漏らしちゃいましたよ(笑)」とぶっちゃけた。
東森ディレクターは「この73分で描きたいのは『本木雅弘の光と影』です。特に『影』の部分は見たことのない本木さんが見られると思います。見た後に、重たいパンチを食らったような、クラクラしてしまっても心地いい読後感が残る番組を目指しています。あと、圧倒的なカッコよさもポイントですね。イケオジの急先鋒、本木雅弘のビジュアルだけでも楽しめます。54歳ですが、同性から見ても、顔も心もイケメン。そこも楽しんでもらいたいです」と呼び掛けている。