大林宣彦監督、故郷・尾道も追悼…「時をかける少女」の艮神社宮司「お優しい、立派な方でした」
2020年04月13日 05:30
芸能
遺作となった「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の時も18年7月1日に行われ、宮司の永井利果さん(44)は「久しぶりにお会いして、ご病気で小柄になられてはいましたが、目が力強く映画に懸ける情熱を感じました」と振り返る。当時は宮司に就任して間もない時期で「私が逆に激励されました。お優しい、立派な方でした」としのんだ。
「ふたり」と「海辺の映画館」の撮影が行われた浄土寺の住職・小林暢善さん(68)は「見学(ロケハン)に来られた時はずっと車いすでしたが、撮影では次第に立って歩くようになっていました。一番好きな場所でエネルギーが出たのではないでしょうか」と述懐。「最後まで映画監督を天職として通されたと思います」と称えた。
《女優の左時枝が弔問》大林さんはこの日、妻で映画プロデューサーの恭子さん、長女で映画感想家の千茱萸(ちぐみ)さんらとともに、東京・成城の自宅から出棺された。黒のワンボックスカーの助手席には千茱萸さんが座り、後部座席に安置された遺体のそばで恭子さんが寄り添った。午前中には14年公開の映画「野のなななのか」に出演した左時枝(73)が弔問に訪れ、「恭子さんに会いに来ました」と話した。葬儀は後日、家族葬で営まれる。
《W主演のひかりと朋子》「ふたり」が映画初主演だった石田ひかり(47)が12日、自身のインスタグラムを更新し「監督の存在は大きすぎて、まだまだ放心状態です」と悲しみの深さをうかがわせた。その上で「監督から教えていただいたこと、ご指導いただいたこと、すべて、すべて、忘れません。監督、これからも見ていてくださいね」と呼び掛けた。同じくヒロインの中嶋朋子(48)は11日夜に大林さんの自宅を弔問。「監督とご一緒した尾道でのまばゆい時間は、初恋みたいに私の心をつかんで離しません。永遠の宝物をありがとうございました」と思いをはせた。