OUC48はAKB48の新たな一歩
2020年04月16日 17:00
芸能
オリジナル楽曲の冒頭のソロパートは、元NMB・山本彩が歌っていたが、「おうちver.」は既に卒業発表している峯岸みなみ、人気の柏木由紀がリレー歌唱。その後、画面は細分化され、岡田奈々や新センターの山内瑞葵らが次々と登場して歌い、楽曲を盛り上げている。
オリジナルやステージでの歌唱に比べ、メンバーの生歌がより鮮明に耳に届く印象。メンバーによって、踊ったり、静かに歌ったり、紙飛行機を手にしたり、ぬいぐるみを用意したり、それぞれの個性を楽しめる。ファンにとっては貴重なエンターテインメント作品になったに違いない。
今後は、メンバーがそれぞれの自宅で、劇場公演の曲をパフォーマンスし、それを生配信する「OUC48おうち公演」を随時、行っていくという。
向井地は「人と人が力を合わせて乗り越えなければならないこの期間、ほんの少しでも、私たちが、おうちから届けるもので、元気や笑顔になってもらえたら、うれしい」とプロジェクトの趣旨を語っている。
AKBは緊急事態宣言後、東京・秋葉原の専用劇場での公演を中止。握手会やイベントなども行っておらず、メンバーとスタッフは自宅待機を余儀なくされている。
2011年の東日本大震災の後、AKBは恒例行事として被災地を訪問。現地で生のパフォーマンスを披露することで、被災者を励まし続けてきた。「会いに行けるアイドル」を掲げるように、そのような人との触れ合いがグループの真骨頂であるのだが、今回は外出自粛で、それを実施することが出来ない。
人と離れた場所で、いかに自分たちの魅力を生かせるか。AKBにとって新たな試みであり、再隆盛への試金石にもなりそうだ。
◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在はNHKなど放送局を担当。