海老蔵らがひいき 老舗弁当店152年の歴史に幕 事業譲渡目指すもコロナで…

2020年04月21日 05:30

芸能

 1868年(明治元年)に創業し、東京・歌舞伎座前でのれんを掲げていた老舗弁当店「木挽町辨松(こびきちょうべんまつ)」が20日、閉店した。なじみの客に惜しまれつつ、152年の歴史に幕。5代目店主の猪飼信夫さん(67)は、歌舞伎座に向かって深々と頭を下げ「やりきった」と話した。
 店は「歌舞伎と共に今に伝える江戸の味」を掲げ、観劇客や役者に長年親しまれてきた。作家の故池波正太郎や俳人の故久保田万太郎の作品に描かれたことも。中村獅童(47)や市川海老蔵(42)ら人気役者からもひいきにされていたという。

 猪飼さんは、店の老朽化などから、自分で店を続けることを断念。それでも事業譲渡を目指して交渉を進めていたが、その最中に新型コロナウイルスの猛威が広がり、立ち消えに。

 店を畳むことを公表した3月末以降、コロナ禍で街から人出が遠のく中、連日、客が押し寄せた。猪飼さんは「こんなに愛されていたのだと改めて気付かされた」と感慨深げに語った。
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