「エール」好調の一翼 二階堂ふみ“陽”の存在感 “陰”の窪田正孝と「補い合っている姿はいいなぁ」

2020年05月09日 18:00

芸能

「エール」好調の一翼 二階堂ふみ“陽”の存在感 “陰”の窪田正孝と「補い合っている姿はいいなぁ」
連続テレビ小説「エール」のヒロインを務め、主人公を支える関内音をパワフルに演じる二階堂ふみ(C)NHK Photo By 提供写真
 【「エール」二階堂ふみインタビュー 】 NHK連続テレビ小説「エール」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は来週第7週(5月11~15日)から東京が主舞台に。2802人のオーディションから朝ドラ初出演にしてヒロインに選ばれた女優の二階堂ふみ(25)が、主人公を支える太陽のような女性をパワフルに熱演。“陽”の魅力をいかんなく表現し、存在感を発揮している。平均世帯視聴率も、第5週(4月27日~5月1日)が20・8%と週平均(月~金曜、ビデオリサーチ調べのデータを基に算出)の番組最高、今月7日(第29話)には21・5%と番組最高を更新。好調の一翼を担う二階堂に撮影の舞台裏を聞いた。
 俳優の窪田正孝(31)が主演を務める朝ドラ通算102作目。モデルは全国高等学校野球選手権大会の歌「栄冠は君に輝く」などで知られ、昭和の音楽史を代表する作曲家・古関裕而(こせき・ゆうじ)氏(1909~1989)と、妻で歌手としても活躍した金子(きんこ)氏。昭和という激動の時代を舞台に、人々の心に寄り添う曲の数々を生み出した作曲家・古山裕一(窪田)と妻・関内音(二階堂)の夫婦愛を描く。男性主演は2014年後期「マッサン」の玉山鉄二(40)以来、約6年ぶりとなる。

 二階堂が演じるのは、豊橋市内で馬具の製造販売を行う関内家の3姉妹、次女の音。将来はプロの歌手として舞台に立つことを夢見ているが、ある日、福島に住む青年・古山裕一がイギリスの「国際作曲コンクール」に2等入賞したことを新聞で知り、大興奮。手紙を送り、文通を始める。紆余(うよ)曲折の末、2人は結婚。音も本格的に歌を学ぶため、音楽大学に入る。夫の才能を誰よりも信じ、叱咤(しった)激励。さまざまな困難に遭遇しながら、自らも歌手の夢を追い続ける─―。

 二階堂は「最初に台本を読んだ時、とても強い、はつらつとした女性だなぁという印象を受けました。そして、自分の好きなものに対して正直な方なのだろうとも思いました。音さんを通して、人を大事にすることや好きな人の未来を応援したいという気持ちが育っているのを感じています」とキャラクターへの印象。

 役作りについては「金子さんが古関さんと実際にやり取りされていた手紙を読ませていただいたり、録音された歌声を聞かせていただいたりしました。録音されている声が、とにかく楽しそうに弾んでいて、すごく印象的でした。本当に歌うのがお好きな方だったんだなと思って。それが音さんと金子さんをつなぐものなので、そういった部分はすごく大事にしながら演じています」と明かした。

 来週第7週は「夢の新婚生活」。家族に反対されながらも上京した裕一(窪田)は音(二階堂)との新婚生活をスタート。同時にレコード会社「コロンブスレコード」の専属作曲家としての仕事も始まるが、一向に曲が採用されない。そんな中、同期入社の木枯正人(野田洋次郎)の曲が先にレコードになり、焦りは募るばかり。一方、音は歌手を目指して音楽学校に入学。そして、上級生の佐藤久志(山崎育三郎)と急接近!久志は裕一の幼なじみで、2人は思いがけず運命の再会を果たす…という展開。

 御手洗先生(古川雄大)からの指導や裕一との演奏会のシーンで既に歌唱は披露しているが、いよいよ音楽大学に入学。「音楽学校で行われる記念公演出演をかけたオーディションのシーンは、かなり気合を入れて歌いました。練習もたくさんしましたし、もう少しうまく歌えたんじゃないかと、悔しさもまだ残っています」と率直に振り返った。

 昨年夏頃から歌のレッスンを開始。「自分の体が楽器になるという全く経験がないことだったので、毎回学びがあって、とても楽しいです。練習時間を設けていただきながら、歌うシーンの前は声帯を開くためにスタジオでも声出しをしていて、毎回120%の力でやったつもりでも納得できなかったり、自分の技術が追いついていかないところがあったり、難しいなと思う部分もありました。ですが、そういう姿も反映することができる、成長していく役でもありますので、設定と周りの方々に助けていただきながら歌のシーンに挑んでいます」と苦戦しながらも前向きに取り組んでいる。

 関内家については「3姉妹はみんな個性がバラバラでおもしろいんですけど、朝ごはんのシーンで本当にみんな遠慮なく食べるんです(笑)。カットかかった後も『これ、おいしいわねぇ』『そうですねえ』と言いながら。凄く家族らしくていいなと思いました。姉・吟役の松井玲奈さんや妹・梅役の森七菜さんとも現場でも仲良くさせていただいています。私は一人っ子なので、もし姉妹がいたら、こんな感じなんだろうなっていうのを感じながら、楽しく演じさせていただいています」と撮影の様子を語り、コンビネーションは抜群のようだ。

 「光子さん(薬師丸ひろ子)はとても強い女性で、その上で女性が生きていくことの大変さを子どもたちに見せてくれるお母さんです。きちんと厳しさを示しながらも、それ以上の愛と優しさでその場を包み込むその姿に、教えていただいたことがたくさんありました。音さんにも、光子さんの強さと優しさが受け継がれているのではないかと感じるところがあります。裕一さんと出会ってから、それらが花開いていくとしたら、その根の部分にあるのは、関内家での暮らしだと思っています。これからの音の変化にも注目して見ていただけたらと思っています」

 来週は裕一との新婚生活がスタート。「2人は世間一般の結婚像とか夫婦像にとらわれていないんです。どちらかがが支えるだけの関係ではなく、ちゃんとギブアンドテイクをしていて支え合っているところがいいなぁと思っています。音さんが愛する旦那さんのために一生懸命料理作りに奮闘する姿や、リアルな財政事情も含めて、2人が補い合っている姿はいいなぁと感じています」と共感。

 「今後は生活をともにして、2人の関係性がもっと濃密になってくると思います。それまで個人と個人が支え合っていましたけれど、今度は本物の家族になっていく瞬間が出てくると思いますので、それは楽しみですね。これまでとは違うまた新しい感覚が生まれてくることに期待しています」とアピールした。

 気弱で繊細な裕一を“陰”とすれば、音は“陽”。第28話(5月6日)で世界的な不況により経済状況が悪化したため、裕一のイギリス留学は取り消しになると、音は裕一が音楽の道に戻れるよう、片っ端からレコード会社を回った。その行動力と明るさに視聴者も励まされているかもしれない。
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