「パラサイト 半地下の家族」“異例”のモノクロ版の劇場公開決定!ポン・ジュノ監督「夢実現」
2020年05月20日 12:00
芸能
アカデミー賞は作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の最多4冠。今年1月に公開された日本における興収は45・5億円を超え、韓国映画として国内興行収入1位の記録を塗り替えた。近年のアカデミー賞作品賞としても、2017年「ラ・ラ・ランド」(44・2億円)、19年「グリーンブック」(21・6億円)などを上回り、社会現象となった。
モノクロ版は、オリジナルのカラー版(通常版)が最高賞・パルムドールに輝いた19年5月のカンヌ国際映画祭上映前に作られた。
製作の理由について、ポン監督は「黒澤明、ジャン・ルノワール、ジョン・フォード、アルフレッド・ヒッチコックなど偉大な監督たちのフィルモグラフィーには、モノクロ映画の時代とカラー映画の時代とがありますが、私たちの世代はモノクロ映画を作る機会がありませんでした。自分もクラシックの仲間入りをしてみたいという夢を、最新のデジタル技術のおかげで実現することができました」と説明。
「同じ映画がモノクロになることで、鑑賞体験がどれだけ変わるものか、面白く感じていただけると思います。私は今まで2度、このバージョンを見ていますが、初めは寓話のように感じられ、まるで昔の物語を見ているかのような不思議な感覚になりました。2度目は、映画がより現実的で鋭く感じられ、まるで刃物で切りつけられるかのようでした。俳優たちの演技がさらに際立ち、より登場人物を中心に映画が展開しているようにも思えました。観客の皆さんがカラー版の鑑賞体験と比較し、ご自身の『パラサイト』モノクロ版の鑑賞方法を見つけてくれたら、うれしいです」と呼び掛けた。
視覚的な変化はもちろん、今作のキーワードとなる「におい」までもスクリーンから強く感じられそうなモノクロ版。カラー版とは一味違う感覚を味わえ、映画ファン垂涎の作品になりそうだ。
また、IMAX上映も決定。オスカー獲得後の2月に北米で1週間限定の上映が行われ、話題になったが、ついに日本でも実現。臨場感がより際立ち、映画の吸引力を濃厚に感じられる映像体験が楽しめる。