NHK来春朝ドラ「おかえりモネ」脚本・安達奈緒子氏「やさしくて温かい物語を作りたい」
2020年05月27日 15:39
芸能
今回、脚本を担当するのは、「リッチマン、プアウーマン」「コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 3rd season」(ともにフジテレビ)などで知られている安達氏。「朝ですし、やさしくて温かい物語を作りたいと思っています。けれど舞台となる土地は、やさしさだけではどうすることもできない痛みを抱えていて、訪問者であるわたしがそれを真に理解することはできません。他者の痛みは肉親でも友人でも恋人同士でも共有することはできない。そんな現実をつきつけられたとき、『わからないから怖い』という言葉を聞きました。自分の理解を超える現象、数秒後に変わってしまう未来、怖いです。ですが人間は不器用ながら『わからないもの』とずっと向き合ってきて、その最たるものが『自然』だろうと考えたとき、描くべき物語が見えたように思いました。気象予報はこの『自然』という完全掌握が不可能なものと向き合う仕事です。コツコツと観測を続けデータを蓄積し、考え、最後は自分の身体でも感じることで、不確実な自然との共存の道を探ります。誰かの痛みもそういうものではないかと考えました。わからないことは怖い、けれど『あなたをわかりたい』と思い、努力し続けてさえいれば、わたしたちは笑顔を交わし共に生きていけるのではないか。若い主人公と、その存在に芯の強さとしなやかさを感じる清原果耶さんに、願いを託します」とコメントした。
また、制作統括を務める吉永証氏は「天気は誰にでも関係があることがらですが、天気(予報)に携わる人がどんなことを日々しているかは、実はあまり知られていません。ひょっとして、そういう人たちの日常や仕事ぶりを追うことで、現代の人々の生活や生き方・考え方を鮮やかに描けるのでは、という思いから今回の企画はスタートしました。ヒロインを演じるのは、抜群の演技力を持ち、これからの可能性いっぱいの清原果耶さん。脚本は、人々の感情のひだを、丁寧に軽やかにすくい取って台本を書かれる安達奈緒子さん。舞台となる東北、宮城の方々のご協力をいただいて、毎朝、青空のような爽やかな気持ちになってもらえる“朝ドラ”を、精いっぱい制作していきたいと思います」と意気込んだ。
同じく制作統括の須崎岳氏は「新型コロナウイルスが世を席けんする前、脚本の安達さんと宮城のいろんな町へ赴き、たくさんの方のお話を聞きました。『あの日』を経て、いま、何を思いながら生きているか。どんな未来を見据えてらっしゃるのか。もちろんすべてをドラマ化できるわけではありませんが、その言葉や表情のひとつひとつに背中を押される思いで、いま物語の構想を進めています。コロナは、私たちにいろんなものを突きつけました。たとえば命について。あるいは希望について。ヒロインが目指す気象予報士は「命を守る仕事」であると同時に、『明るい未来を届ける仕事』です。清原果耶さんのまっすぐなまなざしとともに、ひとつの希望をお届けできれば幸いです」と思いを込めた。
▼正籬聡・放送総局長 「おかえりモネ」は、宮城県を舞台に描かれる久しぶりの現代ドラマです。震災10年という節目の年に、東北の今と未来を見つめた物語をお送りします。また、気象予報という私たちの生活に密接にかかわる仕事をテーマにしているので、みなさんに親しんでいただけるのではないかと思います。ヒロインの清原果耶さんは、最近では「透明なゆりかご」や「螢草 菜々の剣」で主役を務めている実力派の若手の俳優さんです。みずみずしい感性で、気象予報に向き合い成長していくヒロインをどのように演じてくれるのか、とても楽しみにしています。先行きの見えづらい今の世の中にあって、この作品を通して皆さんに少しでも、明るい希望のようなものをお届けできれば、と願っております。