「エール」志村けんさん“秘話”演出に一切の笑いを入れないワケ 小山田先生は裕一の成長を促す“障害”
2020年06月03日 08:15
芸能
志村さんが演じるのは、主人公に大きな影響を与える日本作曲界の重鎮・小山田耕三。3日に放送された第48話で、第40話(5月22日)以来8話ぶり(12日ぶり)8回目の登場(回想は除く)。世界的なオペラ歌手・双浦環役の柴咲コウ(38)との初共演シーンが放送された。
コント番組「サラリーマンNEO」や朝ドラ「あまちゃん」などを手掛けた吉田監督は「『となりのシムラ』をやっていて、いつかドラマに出てほしいと思っていました。ようやく念願が叶いました。志村さんの芝居の凄みをダイレクトにお伝えできるうれしさでいっぱいでした」と喜びの心境を告白。
「これまでドラマ出演を断ってきた志村さんから『監督なら』と言われたことを今でも思い出します。その席で、志村さんに『笑いで行くか、芝居で行くか』とお尋ねしました。せっかく出るなら、今までと違う方がいいと言われました。小山田耕三に関しては、一切の笑いを入れず、演出的にもよりドラマ的な映像にしています」と演出のこだわりも明かした。
5月1日にNHKから発表された生前撮影時のコメントでも、志村さんは「僕の出ているシーンは、困ったことにあまり笑いがないんですよ。俺、譜面も読めないのに、役柄はみんなが憧れる作曲家で、ちょっと意地悪っぽいところもある。いつもの志村けんらしくない、こんなこともやりますよってところを見てもらえれば、うれしいね」と新境地開拓への思いを語っていた。
裕一をコロンブスレコードに推薦したものの、渾身の作品に「で?」と目もくれないなど“塩対応”を続ける小山田。この日の第48話、小山田は環から「その目。私、その目を見たことがあります。ドイツにいた頃、先生と同じ目をした芸術家たちをたくさん見ました。彼らは皆、自分の立場を脅かす新しい才能に敏感です」と指摘された。
小山田について、吉田監督は「『エール』のテーマは、文字通り『エール』ですが、小山田のエールは裕一の成長を促す障害であり、実際は彼の才能を一番理解していた人物として捉えていました」と解釈。今後、小山田と裕一の関係がどのように描かれるのか、さらに注目される。
志村さんは第8週(5月18~22日)に週最多の3回登場(第37話、第38話、第40話)。第8週の平均世帯視聴率は21・8%(月~金曜、ビデオリサーチ調べのデータを基に算出、関東地区)と番組最高をマーク。好調な数字の背景には、短い出番ながら圧倒的な存在感を放ち続ける“志村さん効果”もありそうだ。