梅沢富美男「人生、全部偶然なんですよ」ラッキー続きの半生振り返る
2020年06月08日 19:45
芸能
福島育ちの梅沢が、福島なまりのせりふを発すると、客席は爆笑。「人間っていうのは不思議なもので、『恥ずかしい』と思っていたら、役者をやらなかった。『ウケた』と思った。『役者ってすごいんだな。たった1人が100人くらいの客を沸かせられるんだ』と思ったら、役者の眠っていた血がパーンと(騒いだ)」と、俳優になる決意をしたという。
梅沢がテレビドラマ「淋しいのはお前だけじゃない」で人気者になった82年当時、人気俳優がレコードデビューすることが流行しており、自らも誘われたという。乗り気ではなかったが「小椋佳さんが作詞作曲するなら歌ってもいい」と無理難題の条件を付けたところ、担当者が、かつての職場で小椋氏の後輩だったというミラクルで実現した。楽曲も、小椋氏が当時、担当していたNHKの子供番組のメロディーを短調を長調にアレンジして完成したのが、名曲「夢芝居」。あまりの偶然続きに、梅沢も「180曲くらいあるのかな?そのシングルのたった1曲ですよ、売れたのが。それが、子供の番組のテーマで、マイナーをメジャーに変えただけ」と驚いていた。
梅沢の代名詞でもある女形も、偶然の産物だったという。漫画家の故・石ノ森章太郎さんから、当時お気に入りだった演歌「矢切の渡し」を踊るようリクエストされ、兄と挑戦することに。ところが、兄から「俺は女形できないから、お前がやれ」と言われたそうで、「『女好きなんだから女を見りゃいいだろ』って。ラッキーと思って。化粧したのが、あの女形ですよ」と告白。「人生、全部偶然なんですよ」としみじみ語っていた。