久保九段も驚きの決断力 藤井七段、終盤の読み「神に近い」
2020年06月09日 06:10
芸能
もしここで藤井七段が長考するようであれば勝負あったでしょうが▲1三飛成をノータイムで決断。お互いの読み筋でした。ということは、両者これならやれると思っての踏み込み。開幕から読みと読みがぶつかり合う熱戦になりました。
長く互角の形勢が続いたと思います。差がつき始めたとしたら終盤の入り口で銀取りに打たれた香を渡辺棋聖が同銀と取らず、さらに王頭から激しく迫っていたらどうだったか。
藤井七段がどの時点で勝利を確信したのか、興味があります。というのも渡辺王に詰めろをかけたのが125手目。後がなくなった渡辺棋聖は157手目で投了するまで、連続王手で迫ってきた。要するに、藤井七段は125手目時点で自王に詰みはないと分かってない限り、あの詰めろをかけることはできなかった。
抜き出た詰め将棋の強さは、5連覇中の詰将棋解答選手権で実証されています。それはもちろん相手王を詰ます能力であると同時に自王に詰みがない、だから攻めに専念できるとの決断力に通じる。時間切迫の中、本当に125手目時点で自王が詰まないと見切っていたなら「神に近い」。そう感じました。