「エール」“三郎ロス”広がる 浩二への“遺言”にネット号泣 58年の人生に幕 “最終回?演出”も話題
2020年06月12日 08:15
芸能
唐沢が演じた三郎は、福島の老舗呉服屋「喜多一(きたいち)」の4代目店主。三男のため店を継ぐことはないと思っていたが、長男・次男が相次いで亡くなり、店を継ぐことに。子どもたちには自分の好きな道を歩んでほしいと願っている。2歳年下の弟・浩二が生まれたお祝いに蓄音機を買い、裕一が音楽に親しむきっかけになった。口癖は「オレに任せとけ!」。
第53話(6月10日)のラスト。裕一(窪田)は、浩二(佐久本)から「父さん、もう長くねえんだ。胃がんだって。もう手の施しようが…」と告げられた。
第55話は1933年(昭8)2月。役場の農業推進係に勤める浩二(佐久本)は再び養蚕農家の畠山(マキタスポーツ)を訪ねる。畠山は浩二の資料がよく調べられていたと話し、素直な返事をしてくれる。一方、3日ぶりに目覚めた病床の三郎(唐沢)は「浩二と2人にしてくれねぇか」とお願いし…という展開。
三郎「浩二、おめえには散々迷惑掛けて悪かったな。店(呉服屋・喜多一)継いでくれた時は、腹の底からうれしかった。兄ちゃん(裕一)の方がよかった?バカ言え。あいつは音楽しか能がねえんだから。音楽があったから、あいつと話ができたんだ。浩二とは何がなくても、言いてえこと言い合ってきたべ。(上半身を起こし)いいか、浩二。オレが死んだら、喪主はおめえだ。喜多一を継いだヤツが、この家の主だ。家長だ。この家も、土地も全部おめえが引き継げ」
三郎は数日前、裕一と2人きりになり「おめえに承諾してもらいてえことがあるんだ。喜多一の土地と家、全部、浩二に譲らせてくれ。おめえは古山家の長男だ。けど、オレは喜多一を継いでくれた浩二にやりてえ。それぐらいしか、あいつにしてやれることがねえんだ」と頭を下げたのだった。裕一は「もちろんだよ、父さん。父さんの好きにして」と快諾。
三郎「ちゃんと承諾取ったから。母さんのこと、頼んだぞ」
浩二は「もっと長生きしてくれ」と嗚咽。縁側に佇む裕一は数日前、三郎から「おめえらのおかげで、いい人生だった。ありがとな」と感謝されたことを思い出し、ハーモニカを吹く。「その夜、三郎は安らかに息を引き取りました」(ナレーション・津田健次郎)――。
SNS上には「朝から大号泣」「涙腺崩壊…。メイク崩れたー。弟もずっとつらかったけど、報われたね。兄弟関係も雪解けだね。主題歌なしの演出もよかった。唐沢父さん…好きでした。すごくよかった。本当に寂しくなります」「今回泣くわ…!ハーモニカからのおとーちゃんのナレ死。唐沢さんの名演技に感極まってしまうわ」「唐沢お父さん、スカーレットの北村お父さん同様、破天荒だけど最高すぎる」「うう…泣けたなぁ…浩二…良かったなぁ…最後の最後にちゃんと親子の絆を確認できて…」「当たり前の父の責務をちゃんと果たして、皆の心を溶かしたな、とーちゃん…。兄には望むことをする自由を、弟には家長としてのすべてを」「三郎からのエール。人が良くて頼りない感じの三郎こそ最もブレていなかった。家族それぞれの本質を把握して、それに合った対応をしていた適応力や器の大きさ。こんなん泣くわ」などの書き込みが続出。
エンドロールの演出についても「下エンドロール、最終回みたい」「最終回(最終回じゃない)完!(完じゃないw)」「今日が最終回でもおかしくないくらい、いい回でした」などの声が相次いだ。
直後の同局「あさイチ」(月~金曜前8・15)の“朝ドラ受け”。近江友里恵アナウンサー(31)も「『エール』がちょっと最終回かと思いました」と驚き。博多華丸(50)は「終わり方がねぇ」、博多大吉(49)は「ただ『つづく』と出ていましたんでね。第1部完というところですかね」と語った。
最終回を除き、通常はオープニングに流れる朝ドラのキャスト&スタッフクレジットをエンディングに持ってくる演出は、昨年前期「なつぞら」第114話(8月10日)でもあった。ヒロイン・なつ(広瀬すず)&坂場(中川大志)らの結婚式が描かれるラスト2分、全編アニメーションの通常タイトルバックをやめ、新郎新婦を祝うために勢揃いした主要キャラクターたちの表情が映し出される中、キャスト&スタッフのクレジットが画面下、右から左に流れた。