AKB48・岡田奈々 劇場公演再開のハーモニー 「歌いながら歌詞の一つ一つが心に刺さった」
2020年06月16日 11:59
芸能
セットリストは向井地と2人で考案。デュエットが4曲、ソロがそれぞれ4曲ずつの計12曲で、終盤でシングル曲の「ジャーバージャ」「ヘビーローテーション」「翼はいらない」を2人で歌った。
「『ジャーバージャ』と『翼はいらない』はお互いに初めて表題曲のセンターに選んでいただいた思い入れの強い大事な曲なので、セットリストのテーマを『岡田奈々と向井地美音』にしようと決めた段階で即決しました。『ヘビーローテーション』は大島優子さんが卒業されて以降、みーおんがセンターを務めることが多かった曲で、ファンのみなさんが盛り上がってくださる曲でもあるので入れました」
劇場公演でメンバーがデュエットすることはあるが、デュエット用に作られた曲を歌うことがほとんど。今回のようにシングル曲を2人だけで歌うのは珍しく、ファンにとっては貴重な機会となった。
「基本16人以上で披露するシングル曲を2人という少人数で披露するのはとても新鮮でした。仲間であり、戦友であり、親友であるみーおんと、自分たちAKB48の歴史ある曲を歌うことができて感無量でした」
中でも印象的だったのは、エンディング曲となった「翼はいらない」。2人で同じ旋律を歌うユニゾンではなく、別々の旋律を歌うハーモニーで歌い上げた。
「もともとハモるために、この曲を入れたわけではなかったのですが、私自身、ハモることが大好きなので、みーおんに主旋律をお願いして、ボイストレーナーの先生と、どの部分をハモるか相談しながら決めました。ハモることで、この曲のレトロな曲調がより引き立って、歌いながら歌詞の一つ一つが心に刺さりました。みーおんと2人でハモりの練習もたくさんしたので、その成果が出ていたら、うれしいです」
シングル曲をデュエットし、ハモったことは、新たな魅力の発信になった。ふだん試みないことへの挑戦はパフォーマンス力の向上にもつながるだろう。無観客、しかも2人だけの出演は本意ではないにしても、有意義な劇場公演再開と言える。
「16人のメンバーとファンのみなさんを前にして、これまで通りの劇場公演を行うことが最終的な目標です。とはいえ、今は、ファンのみなさんやメンバー、スタッフのみなさんが健康でいてくれることが一番。検温、消毒の徹底なども行いながら、元の劇場公演を目指しつつ、今の環境とともに進んでいくことを考えて、ステージをお届けし続けたいと思っています」
グループ屈指の歌唱力の持ち主でもある岡田。次の劇場出演は未定だが、また近々、きれいなハーモニーを聞きたい。
◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。