他の有料配信とは違う存在感 野口五郎発案の「テイクアウトライブ」

2020年07月06日 08:30

芸能

他の有料配信とは違う存在感 野口五郎発案の「テイクアウトライブ」
28日にコンサートを行った歌手の加藤登紀子 Photo By スポニチ
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響でライブの中止・延期が相次ぐ中、歌手加藤登紀子(76)が先月28日、観客動員1000人規模の大型公演を先陣を切って開催した。
 会場は2150人収容可能な東京・渋谷のオーチャードホール。政府が発表しているイベント開催のガイドラインである「50%以内の収容率」と「上限1000人」に従い、動員を1000人に絞って条件をクリア。当日は感染防止策を徹底し、約100分間にわたってファンと一体感のあるステージを繰り広げた。

 大きな話題になったとはいえ、動員数を半減させたため、採算は取れないのが実情。その分を補てんするのが、オンラインでの有料配信だ。コンサートの模様を5台のカメラで撮影した映像が、今月10日からスマートフォンなどで視聴できるようになる。コンサート会場やオンラインショップで販売されたのは「テイクアウトライブ」のチケットだ。

 これは文字通り「ライブの持ち帰り」をコンセプトにした動画配信サービス。チケットのQRコードをスマホやタブレット端末で読み取ると映像を閲覧することができる。DREAMS COME TRUEが17~18年にかけ、全国ツアーの各会場で販売したことで一気に広まった。歌手の野口五郎(64)が08年に発案し、11年に特許を取得している。

 コロナ禍で音楽業界では一気に有料の配信ライブが広がりを見せているが、野口は12年も前にオンラインライブの可能性に目を付けていた。QRコードを1回読み取れば複数の映像コンテンツが配信されるなど、コロナ以前から長年にわたってシステムを構築してきただけに、ほかの有料配信とはひと味違った存在感を発揮している。(記者コラム)
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