“新宿クラスター舞台”観客850人全員濃厚接触 新たに出演者と観客7人が感染、合計38人に
2020年07月14日 05:30
芸能
主催したライズコミュニケーションは公式サイトで「公演が行われた6日間全ての日で感染が確認されている」と説明。保健所からの連絡が遅くなる可能性もあるとして、保健所や帰国者・接触者相談センターへの相談を呼び掛けている。
厚生労働省によると、保健所などが「濃厚接触者」の判断材料として重要視する要素は(1)距離の近さと(2)時間の長さ。「対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1メートル程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられる」としている。
JINROの場合は186席を100席程度に減らしていたとはいえ、観客の座席間隔は日ごとに詰まり、最終的には30センチほどだったとの証言も。主催者は最前列の観客にフェースシールドを配ったとしているが、実際には装着しない人もいたという。一部出演者は出待ちしたファンに握手やサインなどに応じており、出演者と観客との接触機会もあったことが分かっている。都は13日から主催者と劇場への感染予防対策の聞き取り調査を開始した。
《出演者3人直前にファンイベント シートを挟んでマスク着けず交流》陽性になった出演者のうち3人が、舞台開幕直前に不特定多数と接するイベントに参加していたことが分かった。TAKUYA(23)とHIRO(23)は所属する8人組「スーパーブレイクダーン」(SBD)が6月21日に都内、同26日に名古屋で行ったファンイベントに参加。ファンがSNS上に掲載した画像では、メンバーがマスクを着けずビニールシートを挟んでファンと交流する姿が確認できる。所属事務所は「参加人数を絞るなど密にならない対策をした」とし、JINRO主催者には先月中旬にイベント開催を報告しているという。
また、HONEY(36)は同26日に都内で、所属する韓国男性4人組「H5」のファンイベントに参加。内容はライブやファンとの1対1のトークだった。
JINRO関係者は「出演者が舞台直前にも不特定多数と接していたなら、感染経路特定は困難。濃厚接触者はさらに広がるかもしれない」としている。
《主催者「抗体検査で陰性」出演続行 報道に反論も非難の声》「THE★JINRO」を巡っては「体調不良の出演者がいながら上演を強行した」とした本紙報道に対し、主催者側が公式サイトで「抗体検査の結果陰性であった」などと反論した。しかし、抗体検査は過去に感染していたことを調べるもので、専門家からは対応を非難する声が上がっている。
主催の「ライズコミュニケーション」は、「7月4日に1名の方から申告」と説明し、体調不良の出演者がいたことを認めている。その上で「抗体検査の実施の結果、陰性であったことと検温の結果がガイドラインの規定の範囲内であったこと」から出演を続行したとしている。
感染症が専門の中原英臣氏(西武学園医学技術専門学校東京校校長)は「その時点で症状があれば、抗体検査ではなくPCR検査か抗原検査をしないと意味がない」と指摘。「舞台を開催するのであれば、それら検査の違いぐらいは知っていないといけないし、対応としてお粗末すぎる」と断じた。