ドラマ「アンサング・シンデレラ」 西野七瀬のキュートさ全開
2020年07月17日 12:30
芸能
新人として医療の過酷な現場で学んでいく役柄。第1話は病院内で石原を急ぎ足で追い掛けるシーンが多く、「歩くの早すぎますって」と文句を言う場面も。
誰かの行動に対する細かいリアクションがキュート。先輩の男性から名札を目の前に突きつけられ「近っ」とつぶやいたり、先輩の女性が書類に猛スピードではんこを押し続けるのを見て「早すぎて、はんこ見えへん」と関西弁で驚いたりする。
極めつきは年配の薬剤師と遭遇した場面。目を見開いて首をかしげながら「おじいぽん!?」とひと言。「おじいさん」ではなく「おじいぽん」と言ったことに、SNSで「おじいぽんって何?」「かわいすぎる」「面白かった」「最高」など好反応が並んだ。
ドラマは4月9日スタート予定で、撮影は3月に始まっていたが新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止となり、初回放送も延期になっていた。撮影は6月上旬に再開。関係者によると、西野は約2カ月間、在宅生活を余儀なくされたことで、あらためて、仕事ができることのありがたさを実感し、意欲十分で現場入りしたという。
西野をインタビューしたのは、乃木坂46のメンバーだった頃の2015年だった。シングル「命は美しい」で3度目のセンターを務めることが決まった時期で「前と同じじゃダメだと思っているので、自分の中で何かテーマを見つけたい。少しでも安心して見ていただけるように頑張ります」と生真面目に話していたのを思い出す。
面白かったのは、将来の夢について質問した時のこと。「お芝居もやってみたいですし、映像作りもやってみたいです」と話すので「映像作りというと監督?」と尋ねると「監督もいいなと思います」と答えた。
当時20歳の人気アイドルの意外な志向に驚いたが、「北野武監督のように役者兼監督を目指すといいのでは?」と言ってみると「そうですね。まず、どこかの撮影現場を見学させていただきたいです」とまんざらでもなさそうだった。
あれから約5年。女優になる夢は実現したが、映像作りの夢はどうなのか。関係者は「本人はお芝居をやりたいと思っている。ただ、スタッフへの尊敬の念が強いので、現場ではカメラや照明など、いろんなスタッフの動きをよく見ているし、コミュニケーションもよくとっている」と話す。
今も変わらず映像作りへの関心は高い様子。始めて間もない女優業も大変だろうが、いつの日にか「監督 西野七瀬」の作品も見てみたい。
◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。