師匠・杉本八段、「藤井棋聖」に感極まる…東海地区に悲願タイトル「夢でした」
2020年07月17日 05:30
芸能
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板谷の一番弟子・小林健二九段(63)は「師匠は名古屋に住む棋士にタイトルを持ち帰ってほしいと願った」と杉本と同様に振り返り、藤井のタイトル獲得を祝福した。藤井は最近になって、将棋連盟から最新の扇子を発売。「大志」「飛翔」「専心」に続く4本目の文字は、初めての1文字となる「進」とした。小林は「“板谷進がいた名古屋にタイトルを”との思い、そして“前進”をかけているのではないか」と心中を推し量った。
東京と大阪にある将棋会館を、名古屋に設立するのも板谷の悲願だった。東西の棋士が対局する際、会場は上位者の地元が基本。近い将来、藤井が複数冠を獲得しても大阪、もしくは東京へ出向き続けるのかどうか。17歳の快挙が塗り替えるのは、棋界の日本地図かもしれない。
《棋聖戦争った2人は遠い親戚》渡辺と藤井で争った棋聖戦。2人は、小林を介して遠い“親戚関係”にある。小林は杉本の兄弟子だが、板谷が亡くなった当時、杉本が四段昇段前だったため「預かり弟子」として身元保証人になった。いわば藤井の“大師匠”とも言える存在。さらに小林の弟子の伊奈祐介七段の妹で「将棋の渡辺くん」の作品がある漫画家・めぐみさんが渡辺夫人。「どちらも応援しないと決めてます」。小林は静かにその行方を見守ってきた。