「半沢直樹」続編初回 細部に続々“恩返し演出”?同期・近藤や湯浅社長 前作キャラなどにファン歓喜
2020年07月26日 09:00
芸能
新作は「ロスジェネの逆襲」「銀翼のイカロス」が原作。半沢は大和田常務(香川)の不正を暴き“倍返し”したものの、子会社の東京セントラル証券へ出向。営業企画部長として赴任後、半沢に巻き起こる事件を描く。前半は株式取得に1500億円以上かかる大手IT企業による敵対的買収をめぐり、半沢が東京中央銀行と対立。後半は航空会社の経営再建をめぐるストーリーとなる。
注目の初回。オンエア中に「#半沢直樹」がツイッターの世界トレンド1位(午後10時時点)になるなど、7年ぶりの放送も熱は冷めやらず。最終盤に堺の口から飛び出した7年ぶり復活&令和初の決め台詞「倍返し」や新たな敵役・市川猿之助(44)の“顔芸”などがインターネット上で大反響を呼んだ。
その中、ファンも唸る演出がいくつもあった。時系列で振り返る。
<開始13分頃>プロジェクトチームから外れた部下・森山(賀来賢人)に半沢が声を掛ける、原作にはないシーン。「いい万年筆だな。インクはピストンタイプか。随分、古い型だな。大阪西支店にいた頃、融資先の町工場の職人に教わった。万年筆は手間は掛かるが、使えば使うほど、味が出る。相当、大事に使っているんだな」。大阪西支店は前作前半の舞台。支店長・浅野(石丸幹二)らが半沢の“倍返し”を食らった。マキノ精機(社長=志賀廣太郎)や竹下金属(社長=赤井英和)が連想された。
<開始15分頃>半沢や同期・渡真利(及川光博)がなじみの小料理屋を訪れたシーン。女将・智美(井川遥)がカウンター越しに「今日は近藤さんは?」と尋ね、半沢にお酒をつぐと、渡真利が「近藤はね、シンガポールに長期の出張中」。これも原作にはない場面。近藤とは、慶大からの半沢の剣道仲間・近藤直弼(なおすけ)。前作、秋葉原東口支店時代の上司“机バンバン”の小木曽(緋田康人)から融資ノルマを課され、極度のストレスから統合失調症を患い、半年間休職。その後、タミヤ電機に出向。古株の経理担当・野田(利重剛)や社長・田宮(前川泰之)、融資依頼先の京橋支店から無能扱いされ、またも不安に押しつぶされそうになったが、半沢から励まされ、銀行員の誇りを取り戻そうと奮闘した。近藤を演じた滝藤賢一(43)が一躍、大ブレイクした。
<開始1時間頃>半沢の机にあるパソコンにメールが届く、原作にはないシーン。送り主は「湯浅社長(伊勢島ホテル)新規ホテル プレオープン【ご招待】」。湯浅社長は前作に登場し、駿河太郎(42)が好演した。半沢を信頼して羽根専務(倍賞美津子)ら古参の重役とのバトルを制し、創業100年超のホテルを再建した。
<開始1時間8分頃>情報漏洩について、半沢が部下・三木(角田晃広)を問い詰めるシーン。東京セントラル証券社内の電光掲示板に「佃製作所 525 +7」と流れた。佃製作所は「下町ロケット」(15年10月期、18年10月期)の主人公・佃航平(阿部寛)が率いる会社。「ルーズヴェルト・ゲーム」(14年4月期)の青島製作所、「陸王」(17年10月期)の埼玉中央銀行、ダイワ食品、「ノーサイド・ゲーム」(19年7月期)のトキワ自動車など、池井戸作品に登場する会社が続々。部下・諸田(池田成志)のメール受信トレイには「下町ロケット」帝国重工からの「先月分のお取引について」もあった。
ストーリー展開に没頭していると見逃しても不思議はない、これらの細かい演出に気付いたファンは次々とSNSに歓喜の報告。初回終了後の深夜、「佃製作所」がYahoo!リアルタイム検索のトレンド上位にランクインした。前作からのファンは2倍3倍と楽しめる心憎い演出。第2話(26日)も注意深く目を凝らしたい。