待ってました!“新様式”歌舞伎 徹底防止策で歌舞伎座5カ月ぶり再開
2020年08月02日 05:30
芸能
東京では新型コロナ感染者が増加中。歌舞伎ファンには高齢者も多いだけに、劇場も細心の注意を払って“新様式”の公演を再開した。
通常1808席のうち、823席のみ開放。観客は体温チェックを受けて入場し、チケットの半券は自身でもぎ取った。換気のために公演中は全ての扉を開け、幕あいはなく、各部ごとに観客を入れ替えて全席を消毒した。
人が密になることを避けるために劇場内の飲食物販売は水、お茶、のどあめのみに限定。イヤホンガイドやパンフレットの販売などは取りやめた。男性用トイレは小便器の半数を使用禁止にし、最大定員13人のエレベーターも上限4人にするなど、感染防止対策は幾重にも取られた。20年来の歌舞伎ファンの能勢知美さん(49)は「多少の不便さはあるけど、安心して見ることができた」と語った。
観客のみならず演者のケアも徹底。関係者によると、楽屋は原則1人1部屋で、使用ごとに各部屋を消毒。通常行われる演者同士のあいさつも禁止した。
俳優もいつもより客席から離れた奥の方で踊るなど、普段とは違う演出もあったが、栃木県から訪れた65歳男性は「ど迫力の舞台に、思わず涙がこぼれました」と話した。
愛之助の妻で女優の藤原紀香(49)は1階席の後方から見守り、公演後の取材に「お客さんの拍手を聞けたのが何よりもうれしかったです」と目頭を押さえた。第4部主演の松本幸四郎(47)は「新しい時代の、新しい歌舞伎の初日だと思っていますので、皆さまには、はじめの一歩というものを見ていただきたい」とコメントを寄せた。