千倉真理 16日に「ミスDJ」200回 「ラジオを信じ、音楽を信じて来た」
2020年08月11日 12:02
芸能
「19歳の時は若さに任せてやったけれど、50代になってまたやるなんて、本当に私は変わってないなと思います。私は向こう見ずで冒険好きで、どうなるか分からない所に行ってしまう。今でも、毎回、ドキドキ、アタフタしていて、毎回、新しい旅をしてます」と笑う。声のトーン、テンションの高さは昔のままだ。
大学1年生だった81年、文化放送が開催したコンテストで優勝。リポーターかアシスタントを務めるつもりでいたが、ふたを開けてみれば、任されたのは大役の番組DJだった。
「私は事務所にも所属していないただの学生でした。スタッフから『DJをやるからと言って、将来タレントになりたいとは思わないで。大学を卒業したら社会人になって』と言われました。そういう番組が成立するところがラジオの魅力、文化放送の素晴らしさだと思います」
ミスDJの後は別番組のパーソナリティーも務めたが、やがて外務省職員の男性と結婚して出産。その後、夫と死別し、子育てを終えた現在は、実家の出版社「千倉書房」の取締役を務めながらDJを続けている。
「ラジオが好きなんだと思います。画面がない分、リスナーに伝わるものがある。見えないようで見える。音楽をしっかりフルコーラスで聞くことができる。音楽がちゃんと伝わるのがラジオの魅力だと思います。私はラジオを信じ、音楽を信じて来ました」
番組では2時間にわたって80年代を中心に「新旧洋邦」織りまざった楽曲が流れ続ける。199回目の放送(9日)では、英国の姉妹グループ「ノーランズ」の「セクシー・ミュージック」(81年)や女子プロレスのタッグチーム「ビューティ・ペア」の「かけめぐる青春」(76年)など、令和の時代にはレアな曲もかかり、郷愁に浸ることができた。
「この番組の間だけ、リスナーは昔に戻れたりファンタジーに浸れたりします。音楽番組だからこそ、曲で心をほぐすことができる。コロナのこんな時だからこそ、聞いている人たちのよりどころになりたい。今、やりがいを感じています」
放送300回、400回に向けての確かな心構えがのぞく。その元気な声を聞いていると、こちらまで元気になって来る。厳しい時代の今、ミスDJは掛け替えのない存在だ。
◆牧 元一(まき・もとかず)1963年、東京生まれ。編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴約30年。現在は主にテレビやラジオを担当。