木村王位“忍者マスク”で藤井棋聖に宣戦布告 糸谷八段解説「勝ちにいった主張の強い手」

2020年08月20日 05:30

芸能

木村王位“忍者マスク”で藤井棋聖に宣戦布告 糸谷八段解説「勝ちにいった主張の強い手」
第61期王位戦7番勝負第4局で対局する木村王位(日本将棋連盟提供) Photo By 提供写真
 【第61期王位戦7番勝負第4局第1日 ( 2020年8月19日    福岡市中央区 )】 木村一基王位(47)に藤井聡太棋聖(18)が挑む第61期王位戦7番勝負第4局が19日、福岡市の大濠公園能楽堂で行われ、後手の藤井が42手目を封じて1日目を終えた。3連敗で後がない「千駄ケ谷の受け師」木村が「相掛かり」に誘導し、互角の難しい読み合いを続けた。
 68分考えた木村が、勝負手を繰り出した。「この手に何分考えてますか?」。頬骨から喉までを覆う、忍者を連想させる黒のマスクから記録係へ問い掛けた午後5時すぎ。藤井飛車の退路を打ち歩でふさいで、宣戦布告した。

 木村にとって大濠公園能楽堂は、縁起のいい場所でもある。豊島将之王位(当時)に挑んだ昨年の王位戦で、連敗スタートしたもののここ福岡で1勝を返し4勝3敗でのプロ入り22年、最年長タイトル獲得へつなげた。前日の会見で「福岡で勝てていいきっかけになった。そういったふうになれば」と意気込んだように、初勝利への意欲を強くにじませた。

 対局をネット中継で見守った糸谷哲郎八段(31)は封じ手の局面を「木村王位が積極的に抑え込みにいった印象。これまでの反省を生かして、勝ちにいった主張の強い手」と解説した。竜王の獲得経験がありここ5期、王将戦の挑戦者決定リーグ入りも果たしたA級棋士。ストレートでのカド番については「厳しい状況ではありますが、気楽になれる。同じ負けるなら自分の将棋を、と思い切れる」と棋士心理を読み解いた。

 「封じ手次第で(五分五分の)バランスが崩れる。藤井棋聖が飛車を切ると決戦です」。1日目から勝負の分岐点との見立てだった。 (筒崎 嘉一)

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