岸谷五朗 三浦春馬さん追悼「稽古場で間違えて息子の名 それだけ家族」「悲しみの終着点は見えないまま」

2020年09月11日 19:29

芸能

岸谷五朗 三浦春馬さん追悼「稽古場で間違えて息子の名 それだけ家族」「悲しみの終着点は見えないまま」
三浦春馬さん Photo By スポニチ
 エイズ啓発チャリティーイベント「Act Against AIDS『THE VARIETY』が、幅広い支援を視野に「Act Against Anything VOL.1『THE VARIETY 27』」と生まれ変わり、今年12月1日に東京・日本武道館で開催されることが11日、発表された。7月18日に急逝し、ラオスのラオ・フレンズ小児病院などチャリティー活動にも熱心だった「三浦春馬さんの想いと共に。2020.12.1再スタート」としている。イベントに出演する俳優の岸谷五朗(55)が三浦さんも参加した演劇ユニット「地球ゴージャス」の公式ツイッターに三浦さんへの思いをつづった。
 岸谷の追悼文は以下の通り。

 「春馬と共に…」

 キレイな男でした。

 清らかな男でした。

 真っすぐな男でした。

 稽古場で春馬を呼ぶ際、間違えて息子の名を叫んでしまうことが多々ありました。…それだけ、私にとって春馬は「家族」でした。

 作品の区切りであったり、何かにつけ、お酒が呑める歳になってからは「五朗さん、イイっすか~」と呑みに来ては、語らい、酔い、何かを吹っ切り千鳥足で、「また、来ま~す」と、あの屈託のない笑顔を残し帰っていきました。今は、もう、来てくれません…。

 あの日…「真剣」に「本気」で時間を数時間戻せないか考えている自分がいました。頭の回路が少し壊れていました。衝撃に心が独占され「冷静」のバランスが取れず現実なのか虚構なのか…時間をほんの数時間戻せたら、春馬を「とりもどせた」。そう思ったのは私だけではなかったはずです。「驕り」かもしれませんが…それほど、我々や近くにいたスタッフにとって、この悲しみの終着点は見えないままです。

 「四十九日」を終え、私の中で春馬から授かった「確かなもの」と共に、前に進むための幾つかのことを整理し実行しなければと思っています。

 1993年から始めたAIDSの子どもたちへの支援、12月1日世界AIDS Dayの「Act Against AIDS」のチャリティーコンサート。気づけば、数年前から春馬が私の右腕となり必死に参加してくれるようになりました。

 我々AAA THE VARIETYチームはラオスにAIDS診察のできるドクター、スタッフを揃え小児病棟を設置する目的を持ち、お客様の貴重なチケット代により2015年に叶えることができました。春馬は自らラオスの小児病棟に視察に行ってくれて、役者ができるチャリティーを探求し力を注いでくれました。

 スケジュールの都合で春馬とは別に私も何度かラオスに足を運んでいた中で、「共通の想い」が心に湧き上がっていました。それは、小児病棟で目の当たりにした AIDS患者以外にあらゆる難病、そして飢餓による栄養失調などで苦しんでいる子どもたち。

 自然に溢れてきた春馬との想いは、AIDSはもちろんですが他の要因で苦しんでいる子ども達へも、より多くの支援をするべく自分たちが精いっぱいできる範囲内でチャリティー活動をしていくことでした。

 2020年12月1日「AAA」はより多くの子どもたちの援助支援を志すため「Act Against Anything」として新たなスタートを切ることを決定していました。

 アミューズは心から人を思いやれる家族のような会社です。

 十代から幼き末っ子であった春馬が気づけば、たくましき長男になっていて、その長男「春馬と共に誓った志」に愛するスタッフたちも強い意志で賛同してくれました。

 「一人でも多くの子どもたちの命を救いたい」と言っていた春馬はもういません。

 でも、その時の彼の意志は紛れもなく揺るぎないもので、その意志を継ぎ、コロナ禍に負けず!仲間たちと共に手に手を取って武道館チャリティーを開催したいと思っています。

 皆様に28年間支えていただいてきたチャリティーライブは新たな産声をあげることになります。引き続き皆様のお力添えをよろしくお願いいたします。

 そして、このライブには、いつも必ず春馬が一緒に舞台上にいてくれることでしょう。

 皆で春馬と共に…

 岸谷五朗
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