豊島竜王、日本シリーズJT杯準決勝進出 藤井2冠“5度目の正直”ならず敗退

2020年09月12日 17:20

芸能

 将棋日本シリーズ「JTプロ公式戦」の2回戦第3局が12日、東京都渋谷区のシャトーアメーバで指され、豊島将之竜王(30)が108手で藤井聡太2冠(18)を破り、準決勝に進出した。10月17日に行われる準決勝では、JT杯2連覇中の渡辺明王将(36=名人、棋王との3冠)―高見泰地七段(27)戦の勝者と対戦する。
 5戦全勝。またしても「豊島の壁」は厚く高かった。今最も勢いのある棋士の一人・藤井を制し、「相性はちょとわからないですけど、結果が出ているので相性がいいのかもしれません」とほほえんだ。

 今局の戦型は豊島が「予定していた」という横歩取り。「先手を持って経験したことがある形だった。経験を活かせればと思って指していて、序中盤は難しかったが途中で手ごたえを感じていた」。終盤には優劣が入り混じるシーソーゲームの様相を呈し、「最後の方が乱れてしまってよくわからなかった」と振り返るも、着実に藤井玉を寄せ切った。一方、2回戦で敗退となった藤井は「着実に行こう思っていたが、途中で見失ってしまった」と肩を落とした。

 藤井が棋聖、王位のタイトルを獲得後、豊島とは初対戦。昨年10月の王将戦挑戦者決定リーグ戦での対戦以来11か月ぶりの対決だった。印象については「早指しの将棋一局を指しただけだとわからない部分が多い」と大きな変化は感じられないようだが、それでもタイトル戦の戦いぶりには「精度が高い印象はあった。以前からすごく才能がある方だなと思っていましたけど、こういうスピードで強くなるというのは予想外。予想よりもスピードが速かった」と驚きを隠せない様子だった。

 両者は10月5日の第70期王将リーグ2回戦でも対戦することが決まっている。「今日の将棋は悪手もたくさん指してしまったが、王将リーグは持ち時間も増えるので精度を高めていけたら」と気を引き締めていた。

 JT杯は例年、全国各地で公開対局として開催されるが、今期は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、全局がスタジオでの無観客対局として行われる。また、同時開催が予定されていた「テーブルマークこども大会」も中止となり、「なかなか大会で指す機会がないと思いますが、また必ず大きな大会が開かれるようになってくると思う。棋士として、将棋を続けていってほしいなと思っています」と呼びかけた。
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